池上コーチの一語一得「積極的なプレーが影を潜めた息子」

2014年03月18日

コラム

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回は息子にもっと自信のあるプレーを取り戻してほしいとお悩みの親御さんからの質問です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学6年生の保護者)

新6年生になる息子についてです。私から見て息子は、実力はあるほうだとおもっています。しかし5年生になってすぐチームの子から仲間外れにされたことがありました。本人は気にしてない様子で練習も休まず行っていましたし、その子を含めチームの子にはかわらず接していたようにみていました。けれども、今思えばその頃から試合中のプレーなど気を使って目立たないようにシュートをしなくなったり、パスばかりするプレーにかわってきています。
私は、以前のようにドリブルで相手を交わしてシュートまで持っていくようなプレーがみたいのですが、このままのチームでは心理状態的に無理なような気がしていて、移籍を考えることも頭によぎりましたが、ともかく息子にもっと自信をもったプレーを取り戻してもらいたいのですが、どういう言葉をかけていいのかわからず、池上コーチの意見をお聞かせいただけないでしょうか。

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親の思いが先行しないように。
自分ではどうなの?と尋ねること

 ご相談の文章を拝見すると、なんとなく親御さんが焦り過ぎているように感じられます。

「気を使って目立たないようにシュートをしなくなったり、パスばかりするプレーにかわってきている」とありますが、そこはあくまで第三者である親の感覚です。もう少し本人からの情報を集めましょう。例えば、「私から見ると、シュートをせずにパスばかりするようになっているように見えるけど、自分ではどうなの?」と尋ねてみてください。

 意外と「コーチにも言われたし、プレーの幅を広げるために今意識してパスを出すようにしている」とか「パスを出すのが面白くなった」などと答えるかもしれません。長年子どもを見ていますが、高学年になるとプレーが変わる子はたくさんいます。ドリブルばかりだった、少しばかりひとりよがりなプレーが目立った子が、視野が広がりパスを出すようになるのです。もしかしたら、お子さんはサッカーをわかってきたのかもしれません。

 親から見て「あなたはこう見えるよ」とか「お母さんはもっとシュートを狙いに行く姿が見たいよ」などと親側の願いを言うのは構いません。ただ、先入観で判断したり、偏った見方で枠にはめないようにしましょう。

「このままのチームでは心理状態的に無理なような気がしていて、移籍を考えることも頭によぎりました」とありますが、本当にそうなのでしょうか。以前よりわが子が目立たなくなったことに対して、親御さんがやきもきしているのではありませんか。

 冒頭に申し上げたように、子どもの気持ちや考えをよく聞いて、親側の思いが先行しすぎないよう温かく見守ってあげてください。

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