【TOMAS CUP 第30回東京都選抜少年サッカー大会】決勝レポート「第8ブロック選抜がPKの末に第11ブロックを下し優勝を飾る!!」

2014年11月04日

TOMAS CUP第30回東京都選抜少年サッカー大会

第8ブロック選抜がPKの末に第11ブロックを下し優勝を飾る!!

トーマス加工9

(文・写真●山本浩之)

 11月1日(土)、2日(日)の2日間に渡り「TOMAS CUP 第30回東京都選抜少年サッカー大会」が府中市朝日サッカー場で開催された。

1985年の第1回大会から数えて30回目の節目を迎えた今年度のトーマスカップ。前回大会までの11人制では、府中少年サッカー場の2つの土のグラウンドを利用して4面を確保していたが、今大会は8人制のスモールコートへの移行に伴い、隣接する府中朝日サッカー場の天然芝のグラウンドだけで4つの試合を同時に進めることができるようになった。ひとつの会場ですべての試合が完結することで、より一体感のある大会へと生まれ変わったようだ。

また、今大会から、女子選手の選抜チームとして第16ブロックが参加し、男子の選抜チームと対戦した。「男子の選手にとっては、気恥ずかしさや接触プレーに対して遠慮するなど、戸惑いもあったようです。一方で女子には負けられないという気持ちもあったことでしょう。試合ではスピード感は男子のほうが上でしたが、女子選手の1対1の粘り強い対応には見事なものがありました」と東京都少年サッカー連盟の高山清委員長も好評する。結果こそ6戦6敗であったが、今後の動向として、女子チームが低学年のうちから男子チームと対戦する機会も増えるとのことなので、注目をしていきたいところだ。

それでは決勝戦を振り返ってみよう。大田区、品川区、港区、中央区、江東区、島しょ部の第8ブロック選抜(以下、8B)と、前年度の優勝ブロックである、町田市、多摩市、稲城市の第11ブロック選抜(以下、11B)の顔合わせ。トーマスカップは、前半、中半、後半の各15分で大会登録の24名の選手が全員出場しなければならないレギュレーションとなっている。つまり同じ選手が1試合を通してフルに出場することが許されておらず、チームの総力を試すことのできる舞台となっている。

前半は、両チームともに、攻撃面での1対1の積極的な仕掛けと守備面でのボールを奪い取ろうという負けん気の強さがぶつかり合った。13分には11Bの9番・山崎くんのスルーパスに5番・小谷くんが反応。シュートは惜しくもゴールの左へと逸れていったが、歓声が湧きあがる見応えのあるシーンだった。

中半になると、緊張感のある立ち上がりとなり、ボールが落ち着かないこともあったが、11Bは11番・本田くんが個人技での突破から強烈なシュートまで持っていく。ボールはディフェンダーの足にわずかに触れたことでコースが変わりゴールマウスを捉えることはできなかったが、この猛攻が先制点への伏線となったかのように、直後に本田くんのヘディングシュートが飛び出した。11Bに1-0とされた後は8Bも負けじと応戦し、ディフェンダーの22番・有馬くんのミドルシュートやワンタッチパスを受けた7番・堀溝くんのシュートがクロスバーを叩くなど反撃をみせた。

そして、試合は後半の15分に突入すると、8Bは21番・奈良くんのフリーキックを5番・金本くんが頭で合わせた。「ゴールは狙っていました。いいところにきたので、決めないといけないという気持ちがありました」と金本くんのゴールでついに同点に追いつくと、終了間際にも勝利への執念をみせ、パワープレイを仕掛ける。ミドルレンジからのフリーキッカーとして相手陣内まであがったのは、ゴールマウスを守る2番・鴨打くん。「僕がキックをするときに、観客からの声援が聞こえて、とっても気持ちがよかった!」という鴨打くんの放ったキックは、勢いに乗ってグングンと相手ゴールに迫るとクロスバーを直撃した。「このようなシーンでの決断は、指導者のコーチングによるものではなく、ピッチ上の選手たちの判断によるものです。勝ちたい気持ちがあったからこその積極的なプレーだったと思います。嬉しかったですね」と8B・坂井監督も高く評価した。

結局、1-1のままで規定の競技時間を終えて、前後半で各5分の延長戦に突入するが、それでも決着はつかず、優勝旗の行方はPK戦に委ねられることとなった。結果は、先攻の11Bが、雨でぬかるんだピッチに軸足を滑らせ1人目のキッカーが失敗したのに対して、8Bは5人全員が成功。8Bにとっては、1996年の第12回大会以来となる2回目の優勝となった。

試合を終えて、「優勝することができて最高の気分です。ただ、せっかくの素晴らしいグラウンドが、前日の雨でコンディションが悪くなってしまったのは残念でした。試合のときにはボールを持ちすぎると、ぬかるみでボールが止まってしまいますので、すぐにさばくように心がけていました。パスもゴロではなく、浮き球を意識していました」と同点ゴールを決めた5番・金本くんは大会を振り返った。

これまでは、トーマスカップに優勝したチームには、12月に茨城県ひたちなか市で開催される「関東選抜少年サッカー大会」への出場権を与えられていたが、本年度からは、東京都選抜チームとして2チームが出場し、新たに48名を選ぶこととなったため、第8ブロック選抜としての積極的な活動は、この日で終わりとなる。有終の美を飾った選手たちは、「チームメイトに優勝したことを報告できるのを楽しみにしています」と仲間たちの待つグラウンドへと帰っていく。「自分の所属しているチームでは、僕はキャプテンなので、みんなを引っ張っていけるようになりたいと思います」との声も聞こえた。トーマスカップで得た経験は大きな自信へとつながったに違いない。

■優勝 第8ブロック選抜・坂井克彦監督のコメント
決勝では1点しか奪うことができませんでしたが、相手が3バックで、うちは1トップでしたから、この位置での数的優位は作れません。だから、自分たちの人数が多い中盤で崩していかないといけなかったのですが、そこで余裕を持ちすぎてしまった。それがフィニッシュまでいけなかった要因のようです。早い判断をすることができるようになれば、この子たちは、もっともっと伸びていくと思いますよ。チームの積極的な活動はトーマスカップで終わりになりますので、いい結果を残すことができてよかったです。

 

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