4種(小学生年代)で本格化するリーグ戦がもたらすものとは?

2015年03月23日

コラム
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リーグ戦の導入によって公式戦の強度の高い試合数が増える

 このように4種年代でリーグ戦の環境が整備されたことに、現場の指導者もメリットをあげている。

 2月28日の「卒業記念サッカー大会 第8回MUFGカップ東京大会」で優勝を飾ったTachikawa elf FC(東京都立川市)の中村太一監督は「子どもたちは試合で一番成長をすると感じてきましたので、練習試合にはない真剣勝負の環境が飛躍的に増えたことは大きいですね」と試合数の増加を歓迎する。

 これまで公式戦の主流であったトーナメント方式では、決勝まで勝ち進むチームと、1回戦で敗退するチームとでは経験できるゲーム数に差がでてくる。選手の育成を観点に考えると、試合経験が少ないことは上達する機会を失っていることにつながるため、すべての選手が平等に出場できる機会を提供しやすいリーグ戦形式の大会は重要になるだろう。

やり直しのできるリーグ戦で失敗を恐れないようになる

 また、全日本少年サッカー大会の『最後の夏の大会』となった2014年の第38回大会で、チームの設立からわずか4年で全国ベスト8まで上り詰めたJFC FUTURO(神奈川県横浜市) の鈴木友監督は、「選手は、一発勝負のトーナメントだと、チームの勝敗を考えてプレーのリスクを避けることがあります。失敗を恐れて積極的に挑戦することをしなくなります。ところがリーグ戦では、次にも試合があるのでやり直すことができます。たとえミスをして1ゲーム目を落としてしまったとしても、その選手に対して、次にチャレンジをする改善の機会を与えることができるのです。これが一番大きいでしょうね」と、リーグの導入は、選手たちに今までよりもいい環境をもたらすという。

 いわゆる『M-T-M(マッチ-トレーニング-マッチ)』を軸とした指導ができるというもので、試合で抽出した課題を分析し、練習で修正し、再度試合により確認するサイクルができあがることは、育成年代にとって重要なこととして日本サッカー協会も指導の基軸とするものだ。

 そして、鈴木監督は「後期リーグになると前期の成績でグループ分けが行われるので、自分たちのチームの能力にあった相手と試合ができることも大きい」という。対戦相手との実力差があった場合に課題を抽出することは難しい。そのため、実力の拮抗したチームが試合を重ねることのできるリーグ戦が理想となるわけだ。

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