世界一子どもが幸せな国・オランダに学ぶ“個性”の伸ばし方。子どもの知性を表す「8つのスマート」とは?
2016年04月22日
コラム2013年に発表されたユニセフによる子どもの幸福度調査で世界第1位を獲得し、その独自の教育法に世界から注目を集めるオランダ。サッカー強豪国としても知られるオランダで行われている教育法とは? オランダの教育・社会事情を研究するリヒテルズ直子氏の著書『世界一子どもが幸せな国に学ぶ愛をもって見守る子育て』から一部抜粋して紹介します。
(著●リヒテルズ直子(教育研究家)写真●Getty Images)
『世界一子どもが幸せな国に学ぶ愛をもって見守る子育て』より一部転載
子どもの豊かな個性の表れ人間の知性と8つのスマート
オランダでは、もう20年あまりもよく使われているものに「マルチプルインテリジェンス」という考え方があります。
これは、米国ハーバード大学の教育学者ハワード・ガードナーという教授が生み出した理論で、簡単に言えば、人間の知性には8つの種類があり、一人ひとりの人間は、そのうちいくつかの組み合わせを個性として持っている、というものです。
子どもには、言葉で表現したり本を読むことが好きな子(言語スマート)、数字や論理性に関心の高い子(数理スマート)、物事を立体的にとらえ地図などを書くのが好きな子(空間スマート)、運動能力が高く身体を動かしているのが好きな子(運動スマート)、物事をじっと深く掘り下げて考えるのが好きな子(思考スマート)、その子がやって来るとその場の雰囲気がよくなり、ケンカの仲裁などができる子(社会スマート)、動植物に関心が強く、小動物や植物を観察したり育てるのが好きな子(自然スマート)、音楽が好きでリズム感覚に長けている子(音楽スマート)などがいますね。もちろん、この中の2つも3つものスマートを同時に持っている子もいます。
これまでの学校や幼稚園は、子どもが持つこういういろいろなスマートのうち、言語スマートと数理スマートだけを特別扱いして、そのほかの能力の発達をあまり顧みてこなかったようです。言い換えれば、読んだり書いたり計算したりするのがうまい子は学校で「できる子」になるけれど、そうでない子は、ほかのいろいろな力があるのに、顧みられることがなく、ひどい場合には、落ち着きのない子、できない子として軽視されてきました。
■マルチプルインテリジェンス~8つのスマート~
言語スマート:言葉で表現したり本を読むことが好きな子
数理スマート:数字や論理性に関心の高い子
空間スマート:物事を立体的にとらえ地図などを書くのが好きな子
運動スマート:運動能力が高く身体を動かしているのが好きな子
思考スマート:物事をじっと深く掘り下げて考えるのが好きな子
社会スマート:その子がやって来るとその場の雰囲気がよくなり、ケンカの仲裁などができる子
自然スマート:動植物に関心が強く、小動物や植物を観察したり育てるのが好きな子
音楽スマート:音楽が好きでリズム感覚に長けている子
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