サッカーは危険なスポーツ。怪我予防のために考えたい『パワートレーニング』に対する意識
2017年05月31日
コラム一般的にパワートレーニングと聞けば、単にフィジカルを鍛えるというイメージがある。しかしバルセロナでフィジカルコーチを担当するラファエル・ポルは、怪我予防につながるパワートレーニングが必要という。今回は5月30日発売となった『バルセロナフィジカルトレーニングメソッド』から記事を一部抜粋して紹介する。
文●ラファエル・ポル 翻訳●坪井健太郎 写真●Getty Images
パワートレーニングは怪我予防
サッカーは非常に危険なスポーツである。ホーキンスやフラー(1999)は、サッカーの中での怪我の回数の割合は1000時間のプレーの中で8.5回の怪我をすると表わしている。これはサッカーを、工場のように高いリスクを負って働く労働者よりも、とても危険な指数を持っているアクティビティとして位置付けている。
また、選手のスポーツパフォーマンスのレベルや怪我に苦しんでいる選手のいるチーム内への影響だけでなく、経済的にとても重要な反響を持つという大きな結果を伴っている。ウッズ(2002)の分析によれば、イングランドのプロリーグは2シーズンで74.7ミリオンポンドを怪我によって失ったという。
このことによって、常軌を逸した数の怪我をトレーニングのプロセスによって減らすことが可能か研究することがとても大切になる。そしてそのためには、サッカーにおいてどの種類の怪我が多いか? いつ起こるか? どのようにおこるか? を知る必要がある。ウッズ(2002)が証明しているように、怪我の数や種類は長いシーズンの中で増えていく。多くの怪我はプレシーズンやシーズン1ヶ月目の間に起こり、長いシーズンの間に減っていく。これは様々な形で解釈できる。
重要なのはプレシーズン中
1つ目の解釈は、負荷の管理が過度に荒いため「カタボリック-アナボリック」の調整がうまくいかず怪我の発生を容易にしてしまうという可能性である。さらにこの研究によると「使い過ぎ」による怪我はプレシーズンの中で著しく多発し、このためプレシーズンでの過負荷をどうするかをプランニングしなければならない。
これは、良いプレシーズンを過ごすことはスポーツ選手をシーズン末の分まで「充電」できるという信望(メソッドの条項で分析される)に基づいているとも理解することができる。
他にも、一般的に大きな負荷にサッカー選手が耐えられないという証明と解釈することもできる(プレシーズン中は一般的に大きな負荷のボリューム(量)を適用する)。長いシーズンで怪我の数は減少するにもかかわらず、様々なスポーツの研究によるとシーズン中にパワーのレベルは減少することを確証している。
そしてこのパワーの最適化は、エリート選手の怪我の予防を助けるというアイデアと矛盾している可能性がある。
(続きは『バルセロナフィジカルトレーニングメソッド』をご覧ください)
【著者】ラファエル・ポル
【翻訳】坪井健太郎
価格:2,484円(税込)
A5判/264ページ
2017年5月30日発売
⇒世界最高クラブ「FCバルセロナ」の3冠を支えた若きフィジカルコーチ、ラファエル・ポルの最先端理論と練習法を大公開!
「フィジカルトレーナーは、フィジカルトレーニングの実行と関連する人間の動きの原動力と生物学的プロセスの専門家として、選手とチームに期待する適応が発生するためにトレーニング計画に協力するべきである」
「サッカーにおけるスプリントの必要性は、直線を走ることよりも方向を変えることに特徴づけられている」
「トレーニングプロセスにおいて判断(戦術)のプロセスと、アクション(技術とフィジカル能力)のプロセスを分けて考えることは間違っている」
「ジムのマシーンでのトレーニングは、選手のコーディネーションのパターンを尊重しておらず、結果的に多くの支障をもたらす」
インテンシティーを重んじる
現代サッカーに必要な
スピードとパワーを強化する
【目次】
■第1章 サッカーにおけるスピード
1-1 サッカーにおけるスピードの条件要素
1-2 サッカーにおける決断
1-3 チーム内の異なる選手間のコーディネーション:プレーモデルの実行
1-4 影響する要素とスピードに影響する生物エネルギー
■第2章 サッカーにおけるパワー
2-1 パワーの概念
2-2 フィジカルの基本能力としてのパワー
2-3 筋収縮を引き起こす条件
2-4 試合を想定しないパワートレーニングは必要であるか?
2-5 パフォーマンス向上のためのパワートレーニング
■第3章 サッカーにおける持久力
3-1 持久力の定義
3-2 持久力トレーニングの目的
3-3 持久力トレーニングによってもたらされる順応
3-4 サッカー選手のエネルギー必要性の認識
■第4章 システミコメソッド
4-1 モデルが位置づける科学的パラダイム
4-2 ダイナミズムシステムとは?
4-3 ダイナミズムシステムの観点から見た選手
4-4 トレーニングシステムの応用
4-5 負荷強度の決定
4-6 トレーニングプロセスにおけるプレーモデル
4-7 監督の役割
4-8 フィジカルトレーナーの役割
4-9 トレーニングのピリオダイゼーション
4-10 トレーニングのピリオダイゼーション: プレシーズン
4-11 週間トレーニングサイクルの設計
4-12 週間計画に関する考察
4-13 結論
■第5章 ダイナミクストレーニング
【高強度のダイナミクス(アクション)】
・3対3+GK
・守備を固めた3対3+GK
・浮き球での3対3+GK
・1対1+GK
・2対2+GK
・2対2+2フリーマン+GK
・小さいスペースでの3対3+GK
・2人×3チーム+1フリーマン(攻撃側)+GK
【高強度のダイナミクス(相互作用)】
・3対3+1フリーマン(攻撃側)
・3対3+1フリーマン(攻撃側)+GK①
・4対4
・4対4+1フリーマン(攻撃側)+GK
・3対3+2フリーマン
・4対4+3フリーマン
・3対3+1フリーマン(攻撃側)+GK②
・アタッキングサードでの3対3+GK
【低強度のダイナミクス】
・10対10+1フリーマン(攻撃側)+GK
・スペースを狭めた11対11
・相手背後のエリアに侵入する8対8
・8対8+GK
・サイドのエリアを限定した9対9
・7対7+2フリーマン+4GK
・マーカーゴールを配置した10対10
・6対6+6フリーマン
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