ボール奪取力は世界最強! プレミアMVPエンゴロ・カンテが見せるボールを奪うための3つの『工夫』とは
2017年06月01日
サッカーエンタメ最前線サッカーにおいて、豪快なシュートで得点したり、華麗なテクニックで相手をかわしたりするプレーはとても魅力的です。しかし、チームのエースがそういったプレーをするためには、必ずそれを支える「縁の下の力持ち」の存在が必要不可欠です。今シーズン、チェルシーをプレミアリーグ優勝に導き、プレミアリーグ年間最優秀選手に選出されたフランス代表MFエンゴロ・カンテは決して派手なプレーをする選手ではないですが、潰し屋として相手の攻撃の芽を摘むことを徹底して行い、チームに欠かせない存在となりました。現在、世界最高のボランチとして名高いカンテはいったいどのようなところが優れているのでしょうか。今回はカンテのプレーを振り返り、ボランチとして必要な能力を紹介します。
文●前田快/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images
≪エンゴロ・カンテのプレー集≫
カンテは、サッカー選手として決して恵まれた体型ではありません。大きな体を持っているのであれば、ディフェンスの際に相手に体をぶつけてボールを奪うのは容易でしょう。カンテのように体が小さい選手が潰し屋として生き残るためには体をぶつけることに加えて、相手に体を寄せるときに工夫が必要です。カンテが優れているのはこの工夫の部分です。「タイミング」「予測」「粘り強さ」の3つの工夫をカンテ選手は随所に見せて、チームに貢献しています。
相手に体をぶつけることはとても重要なことで、ボランチとして避けては通れないプレーです。体の小さいカンテは相手とボールの間に体を入れる「タイミング」が圧倒的に優れています。相手がドリブルしていて、ボールがリリースされたときに素早く体を入れる。味方がプレスに行き、相手からボールが離れそうな瞬間に素早く体を寄せる。そのようにして、カンテは相手からボールを奪います。そのプレーの背景には、相手からボールが離れそうなタイミングを動きながら感じ取り、抜群のタイミングで飛び込むカンテならではの能力が効いていたのです。
カンテを追って試合を見ていると、「さっきまで右サイドにいたのにもう左サイドにいる」と驚くことが何度もあります。彼はゲームの状況を読み取り、今どのエリアが危ないのかを常に考えながらプレーしています。圧倒的な運動量に加え、質の高いプレーを90分間継続することができます。ボール、プレーの行方を素早く「予測」し、数的優位の状況を作り、セカンドボールを素早く拾い、仲間につなげる。このプレーがチームの攻撃には欠かせないプレーとなっています。
カンテは自分の間合いをよく知っています。他の選手であればチェイシングをやめるような場面でも、自分の守備範囲と見るや否や粘り強く追いかけ回します。その「粘り強さ」がボール奪取につながっています。高い位置まで粘り強くボールを取りに行くこのプレーはボールが取れなかったとしても無駄なプレーではありません。高い位置までプレスすることでコースを限定したり、相手の攻撃を遅らせることにつながっています。
世界最高のボランチであるカンテのボールを相手から取るための優れた工夫は、体の小さい子どもたちにとって学ぶ点がとても多いと思います。体が大きくなかったり、足元の技術がなくて悩んでいる子はカンテのプレーを見て、自分にあったプレースタイルを見つめ直すいい機会になるかもしれません。

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