熱中症、ゴールを移動する際の転倒、育成年代での過剰な指導…。“子どもの安全”を守るには、まず「大人が知ること」
2017年07月06日
インタビュー
【大谷翔平選手を輩出した花巻東高校野球部の佐々木洋監督は、高校時代に“酷使”をしない指導をしていた】
保護者に求められること
保護者も指導者同様、“無知と無理はいけない”と望月氏は訴える。
「“無知と無理”という意味では、保護者が無理をさせるケースも目立ちます。ジュニアスポーツの場合、指導者がその年代に見合った指導をしようとしても、保護者が子どもに期待をし過ぎて、監督やコーチに過剰な指導を求めるケースがあるようです。競技は違いますが、高校野球で活躍した選手が、高校時代の酷使によるケガでプロ野球で活躍できないことが少なからずあります。
北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が現在、プロであれだけの活躍ができているのは、花巻東高校時代の佐々木洋監督の適切な指導があったおかげだと思います。佐々木監督は選手を酷使しすぎないために、入学時に選手のヒジのレントゲン写真を撮影し、骨端線が閉じていない成長途上にある選手に負荷をかけすぎないように配慮しています。大谷選手もこのような配慮があったからこそ今の活躍があります。
このように、優れた指導者は選手の将来を見据えて指導していますから、保護者の方が子どもに無理をさせるような指導を求めるのは大きな間違いといえます。保護者の方も指導者と同様、可能な限り競技について勉強し、子どもに無理をさせないようにしてもらえると嬉しいですね」
<関連リンク>
・起こってからでは遅い『スポーツ事故』の問題。指導者・保護者が心得ておくべきこと
<プロフィール>
望月 浩一郎
(もちづき・こういちろう)
山梨県生まれ。京都大学法学部卒業後、1984年に弁護士登録。専門分野はスポーツ事故、医療事故、過労死・労災職業病事件。弁護士業務の傍ら、数々の競技団体の委員やアスリートの代理人を務める。2014年より日本スポーツ法学会の会長職に就く。著書に『スポーツ法学入門(共著・体育施設出版)』『スポーツの法律相談(共著・青林書院)』などがある。
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