ドリブラーを育てる聖和学園の指導術。「選手のアイデアを引き出すことを常に考えている」
2017年11月07日
コラム全国からドリブラーが集う聖和学園高校。2015年冬の高校サッカー選手権では磨き上げたドリブルを披露しライバル・野洲高校に7-1で圧倒。ドリブルで果敢に攻める聖和学園の一貫したスタイルは見るものを魅了しました。聖和学園の選手たちは狭い密集地帯でも2人も3人も華麗に抜き去る技術を持っています。加見監督はどんなことを念頭に指導し、一流のドリブラーを育てているのでしょうか。11月7日に発売となる『聖和の流儀』から一部抜粋して紹介します。
文●加見成司 写真●小林健志
『聖和の流儀』より一部転載

マニュアル通りやることを求めてはいけない
サッカーの醍醐味は1対1です。極端に言えば1対1の連続がサッカーだと言うこともできます。最近は、1対1の重要性に着目するチームも増えていると感じます。聖和学園がやっていることの影響かどうかは分かりませんが、宮城県内のチームでも「ボールを持ったらドリブルで仕掛けろ」と言うチームが増えてきたと感じますし、周囲からもそういう声を聞きます。
1対1を制するには、やはりドリブルの技術を磨く必要があります。相手を嫌がらせるドリブルもあれば、味方を活かすドリブルもあります。力強い推進力のあるドリブルが必要な場面もあれば、相手が尻もちするような意表を突くドリブルが必要な場面もあります。あらゆる場面に対応できる様々な種類のドリブルを身につけておく必要があります。
あらゆるドリブルの手法は「ドリブル表」という形でマニュアル化されています。エスポルチ藤沢をはじめ、ドリブルや個人技を重視している様々なチームから譲ってもらっているドリブル表を使い、様々な種類のドリブルを練習します。コーチたちが考えた独自のドリブル表もあります。
ドリブルの上手いチームを訪ねてビデオ撮影に行き、それを子どもたちに見せたこともあります。また、今は選手が見つけたドリブルの動画をみんなで見ることもありますし、それを真似して練習することもあります。そうやってドリブルの手法も体系化・マニュアル化されて蓄積されていきます。
しかし、当然のことながら、マニュアルをただ真似すれば良いわけではありません。自分にしかできないドリブルにアレンジしていく必要があります。様々なドリブルを選手がゲームの中でどう表現するかは自由なのです。
例えば、何人かの選手たちが同じシザーズのフェイントをしたとします。選手はそれぞれ足の長さが違いますし、フェイントをかける角度も違います。人それぞれのシザーズフェイントになりますが、それで良いのです。正確に、マニュアル通りやることを求めてはいけません。
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