ネガティブなコミュニケーションが子どもをダメにする。”やる気”を引き出す「親子の会話」とは
2017年12月18日
メンタル/教育ポジティブな会話が強いメンタルにつながる
そして、試合に勝った負けた、と結果を評価しない。評価すべきなのは、過程です。
試合で点をとったことでご褒美を上げたり、成績〇以上じゃないならサッカーを辞めて塾に行きなさいと怒る親がいますね。結果に一喜一憂する親は、調子のいいときはすごくいいけど、ダメなときは立ち直れないという二流選手を作ってしまいます。レギュラーになれたのは、毎日ダッシュの練習をしていたからだね、と、そういうふうに言える親であってほしいですよね。
世界水泳で金メダルをとった、瀬戸大也君のお母さんが、まさに、そういう人でしたね。お話を伺うと、絶対にネガティブなことを言わないように、子どものときからしつけているんですね。そして、試合の勝った負けたは評価をしない。負けたのは、あなたの努力が足りないから、と。結果ではなくて、プロセスを大切にする話し方をしてこられたそうです。
ここ数年で、中学の女子ソフト部と女子バスケ部を指導したのですが、監督と選手だけでなく、2年前から親へも講習を始めました。すると驚くべきことに、ほとんどが中学からの初心者だったにもかかわらず、初の市の大会で優勝、関東大会、全国大会まで行ってしまったんです。
ここの部では、親御さんを巻き込んで、家庭環境からポジティブにしていくこんな試みを実践してもらいました。家で「めんどくさい」などと子どもがマイナス思考なことをつぶやいたり、あいさつがなかったりすると、お母さんが、「プラス思考ビーム!」というのを送るんです。すると子どもは「あ?っ」とやられたふりをして体でプラスの文字を作り、「プラース!」と一気に気持ちを切りかえる、というルール。ちょっとした遊びですが、保護者の方にお願いしてやってもらっています。こうして、ポジティブなコミュニケーションを普段の生活からトレーニングする。それが、確実に試合での強いメンタルにつながっていきます。
サッカーは、毎日練習しても一日の中で2時間程度です。でも、こうしたメンタルトレーニングは家庭でも学校でもいつでもできる。だから、効果があるのです。
プロフィール
高妻容一(こうづま・よういち)
東海大学体育学部教授
スポーツメンタルトレーニング
上級指導士
1955年宮崎県生まれ。福岡大学体育学部卒業。中京大学体育学研究科終了後、フロリダ州立大学へ留学。近畿大学教養部を経て、現職。メンタルトレーニングの国内での普及を目的とした、「メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会」の代表として、後進の育成や普及を行っている。著書に、『今すぐ使えるメンタルトレーニング』(ベースボールマガジン社)、『子どもの本番力を120%引き出す方法』(PHPエディターズ・グループ)など多数。
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!2025.09.17
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- “いい選手”は「2つのラインの交点に立つ」。ポジショニングに必要な「ボールなしペアリング」とは?
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- 【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 縦割りの練習、危なくない?
- キッズ年代から取り入れたい! バランス感覚と判断力を伸ばす効果的トレーニング術【前編】
- 【第39回全日本少年サッカー大会】決勝大会 ジュニサカ取材日記②「地元で“全少”初開催! 鹿児島県代表・飛松FCの挑戦!!」
- 東京都伝統の『TOMAS CUP』で輝いた5人の選手たち!/ジュニサカMIP
- 指導者たちに聞く!現代の環境の中で求められる指導法とは/座談会企画<後編>