サッカーのルールはどう決まる? 育成のために考えたい「競技規則の修正」とは
2018年01月12日
コラム
「子どもたちのサッカーは大人のサッカーとは違う」
今回新たに加えられた文言は、上記のような競技中の規則だけではありません。
例えば、これまで『16歳未満の競技者』と表記されていた部分が『ユース』となり、新たに『グラスルーツのサッカー』という言葉が追加されているという部分。これは、『ユース』の年齢や『グラスルーツのサッカー』の定義を各国サッカー協会で定めなければならないということです。
この件について、小川委員長は「一昨年までユースとは16歳未満で年長者は35歳以上であると競技規則(IFABが定める)に記されていました。では、具体的にユースという括りを何歳から何歳までにして、『グラスルーツのサッカー』という定義をどうするか。これも技術委員会と確認をしながら進めなければなりません」と述べます。
今回の決定で、
「育成の観点から、高校生年代ではシンビンを取り入れてみてはどうだろうか」
「中学生年代までは多くの選手に出場機会を与えるべき。選手の再交代を可にしたらどうだろうか?」
など、育成のための“環境づくり”を議論する機会が否応なしに訪れるわけですが、サッカーの母国であり、IFABの中心メンバーであるイングランドのマンチェスター地域では、少年サッカーのリーグ戦で“独自ルール”を実験的に導入すると英メディア『Mirror』が伝え、注目されています。
その“独自ルール”は『スライディング禁止』といったプレイヤーに対する規則もあれば『観客は叫んではいけない』や『試合中に叫んで指示をしたりしてはいけない』など観客(保護者)やコーチに対する規則も含まれています。

小川委員長はイングランドのローカルルールについて「これらはあくまでグラスルーツ、子どもたちのサッカーに何を求めているか、競技規則とは別枠で考えられてつくられている」と見解を示します。
例えば日本でもジュニア年代では、2012年から『8人制サッカー』が導入されています。日本の『8人制サッカー』にも“3ピリオド制”や選手交代の際に“交代ゾーンで自由に交代できる”といった独自のルールがあります。小川委員長いわく、これらは「あくまで修正の範囲内」で行われているとのこと。
日本が『8人制サッカーの競技規則』という独自ルールのつくった際には、スペインを中心として育成に定評のあるヨーロッパの国々で7人制や9人制のサッカーが行われていたことがあり、変革に至ったという経緯があります。
しかし、サッカーの最先端を走るヨーロッパの国々では、有効なモデルケースがない状態で自国の選手育成にあった環境づくりを行っています。
サッカーの競技規則を司るIFABの中心メンバーであるイングランドも育成のためのルールを自分たちで柔軟に考え実験を繰り返しながら考え出しているのです。
今後、育成を取り巻く環境は自国の利益を考えていかなければなりません。日本も国内の環境やメンタリティと向き合いながら、熟考しなければならないでしょう。
またこのローカルルールが採用されるリーグ公式ホームぺージにはこんな言葉も記されています。
「Children’s soccer is not adult football」
これは「子どもたちのサッカーは大人のサッカーとは違う」という意味です。子どもたちがサッカーを学び、成長するためには大人と同じルールでプレーする必要はないという考えなのです。
日本の子どもたちにとってどのような競技規則があれば有益なのか。日本サッカー協会のみならず、サッカーに関わる大人たちすべてが考えなくてはなりません。

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