親の過剰な応援が”成長の機会”を奪う。子どもの才能を伸ばす接し方「か・き・く・け・こ」とは

2018年01月15日

コラム

試合後のアドバイスは”注意”ではなく”質問”

 とは言え、子どもの失敗やトラブルを目の当たりにすれば、親もショックですよね。つい何か言いたくなるのは当然です。でも、大人があれこれ指示するのは逆効果。子どもの判断力が育ちません。今は子どもの数も少なく、ひとりの子どもに手をかけられるせいか、過干渉な親御さんが増えているようです。

 厳しいプロの世界では瞬時の判断力と行動力が不可欠です。小さいときから自立させるよう常に適切な言葉掛けをすることを心がけましょう。判断や決断、そして行動のできる子を育てるために、親がすることはとてもシンプルです。

 子どもの判断を観察し、次の行動を見守ること。そして、試合の後に何かアドバイスしたくなったら、注意ではなく「質問(クエスチョン)」から始めてみてください。

「今日はどうだった?」と質問し、「○○のここがうまくできなかった」と子どもが答えたら、「じゃあ、次はどうしたらいい?」ともう一度質問してみてください。「次は」「今度は」と、未来への質問をすればいいのです。できなかったイメージではなく、できたイメージが、成功につながるのです。

 そして、「次にどうするか」は、具体的な行動として考えさせるようにするのがポイント。「次はがんばります」「今度は気をつけます」で終わるのではなく、「次にがんばるためには、何をどうするか」まで考えさせるのです。筋力をつけるために1日20回腹筋するといった具合です。直接的に効果がなくても、新たな1歩を踏み出せば、必ずそれが10歩、100歩と成長へとつながるのです。

 もちろん、経験の少ない子どもではすぐに具体的な答えが出てこない場合も多いでしょう。そのときは「○○してみようか?」と「提案(リクエスト)」してみてください。ポイントは複数提示すること。いろいろな発想ができる子ほど、柔軟で打たれ強くなるのです。

「ドリブルを毎日100回練習する」に加えて「お母さんをおんぶして20メートル歩く」など、ちょっとくだらないことを混ぜ込んでもOK。楽しく選んで行動できるのが一番です。効果はすぐには目に見えません。

 しかし直実に前進していることは確かです。一つクリアできたら、「次はどうしようか?」と、また新たに考えればいいんです。

 

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