サッカーだけに拘らない、世界に通じる人材を輩出する。「食事」「睡眠」「遺伝子」いわきFCアカデミーは育成年代への投資を惜しまない
2018年02月15日
コラム
【いわきFCパーク内にある『Freecom英会話教室 いわきFC校』】
大切なのは様々な知識を持った人材を育成すること
高校生年代のU‐18からは、ドームが展開するスポーツサプリメントブランド「DNS」のノウハウを生かし、体の成長を促進させるためのサプリメントも摂取していく青写真も描かれている。
さらに子どもたちは、クラブハウスの2階に入っている「Freecom英会話教室 いわきFC校」で、外国人講師による英会話のレッスンを週1回受講。英語だけを使ったサッカーのトレーニングも実施されるが、こうした費用はいわきスポーツクラブが負担している。
アカデミーの未来に対する「投資」と言ってもいい一連の活動は、ドームの設立者で、いま現在は代表取締役CEOを務める安田秀一氏の「海外のサッカースクールでは、子どもたちからお金なんて取らない」という考え方から始まった。大倉代表取締役は未来をこう見すえている。
「18歳でアカデミーを卒業するときにいわきFCに昇格する子どももいれば、大学へ進む子どもがいてもいい。大切なのはその時点で、自分の体やストレングストレーニング、あるいはサプリメントに関する知識をある程度もっていないといけない。こうした子どもたちが10年くらいのサイクルで回り始めると、アカデミーから年代別の日本代表に入る子どももおそらく出てくると思っています」
筋肉のタイプに合ったトレーニングメニューを選手個々で作成するために、昨シーズンの始動時にトップチームで導入された日本サッカー界でもほとんど前例のない遺伝子検査を、実はU‐15の一期生たちにも実施している。
唾液を分析した結果として、パワー・スプリント系、持久力系、そして両方の要素をもつポリバレント系と3つのタイプに分けられる。それをもとにポジションをコンバートしていると、強化・スカウト本部長を兼任するいわきFCの田村雄三監督(35)は言う。
「一般的に持久力系タイプは早熟の子どもが多くて、高校1、2年生くらいまではスピードなどで勝っているから前線で起用され、実際にゴールも多く取れる。それでも筋肉が持久力系である以上は、将来を見越せば、最初からたとえばサイドバックとして育てたほういい、となるじゃないですか。僕自身はそういう視点で、遺伝子に関しては非常に大きな興味をもっています」
【いわきFCの田村雄三監督兼強化・スカウト本部長】
これまでの常識や習慣にとられない、異端にも映るチャレンジが魅力を感じさせる。そこへトップチームが昨年の天皇杯全日本サッカー選手権で巻き起こした、痛快無比なジャイアントキリングが追い風を吹かせたのか。U‐18のセレクションには約100人の応募があり、その半分がいわき市外、なかには東京都や神奈川県在住の子どもたちも含まれていた。
今春から加入するU‐18の一期生たち、そしてU‐15の二期生たちにも遺伝子検査が実施される予定だ。クラブ全体として掲げているスローガン『WALK TO THE DREAM』が物語るように、いわきFCの未来を担う子どもたちもゆっくりと、そして確実に大きな夢へ向けて歩んでいく。
【fch連動企画】いわきFCの果てなき夢
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