親に影響され「自分で考える術」を持つことができなくなった子どもはどうなる?

2018年12月01日

コラム

「自らの決断が招く結果を通して、成長させることが大切です」。やさしくてシンプルな子育て方法を教えることで、国際的に高い評価を得ている講演家バーバラ・コロローソはそう話します。しかし、親の考え方に影響され、「自分で考える術」を持つことができない子どももいます。自ら決断を下す機会を与えられなかった子どもが成長していくとどうなっていくのでしょうか?『子どもの力を引き出すシンプルな習慣』より一部転載して紹介していきます。

『子どもの力を引き出すシンプルな習慣』より一部転載

再構成●ジュニサカ編集部 著●バーバラ・コロローソ 訳●田栗美奈子 写真●ジュニサカ編集部


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多くの子どもは「親の考え方」に影響され「自分で考える術」をもてない

 子どもには責任感をもってほしい。機知に富み、快活で、思いやりのある人間になってほしい。そしてなにより自分の頭で考え判断できるようになってほしい。親としてはそう願っているはずです。

 ところが現実には、親は子どもに考えさせているように見せながら、自分の考えを元にして、「こう考えるべきだ」と教えこんでいることがじつに多いのです。

 子どもがよちよち歩きのころから、わたしたちは早くも「自分で考えなさい。コートと手袋をするのを忘れちゃだめよ」と言っていたりします。子どもがある程度大きくなってからも、「自分で考えなさい。試験の準備をしなきゃいけないんじゃないの?」「自分で考えなさいって何度言えばわかるの?」こんな具合に続いていきます。

 多くの子どもは、大人になる入口の時期に、どうやって自分で考えればいいのかを模索しつづけます。というのも、「親の考え方」はすっかり身についているのですが、「自分でどう考えるか訓練する機会」にほとんど恵まれてこなかったからです。

 子どもが自分で考え、自分の問題を解決できると思えるようになるには、自尊心と倫理観、そして自らの力を信じる気持ちが必要です。その力を育てるには、子どもに責任を与え、決断する能力を鍛えることです。そのためには、まず子どもに判断させ、それに対して評価を下すことなく導きます。自らの決断が招く結果を通して、成長させることが大切です。

 失敗しても、まずい選択をしても、子ども自身の責任です。その選択で傷ついたり困ったりしても、本人が前向きに取り組んではじめて解決できるのです。子ども自身がその事態の当事者として動くことにより、気高い心や倫理観、そして自尊心が育っていきます。

 親のもつ真の力とは、子どもを支配して言うことをきかせることではなく、子どもを力づけてやる手腕のことなのです。

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