100%で練習して、100%で休む。元日本代表・鈴木啓太が語るコンディショニングの重要性

2018年12月22日

インタビュー

浦和レッズ一筋16年、“オシムジャパン”でも活躍した元日本代表の鈴木啓太氏。引退後はAuB(オーブ)株式会社代表 取締役社長として、アスリートの体調管理を支えるビジネスを展開している。コンディショニングはどれほど重要なのか。鈴木氏は現役時代の経験談を踏まえて、子どもたちにアドバイスを送ってくれた。『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.51』から一部転載して紹介する。

『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.51』より一部転載

文●鈴木康浩 写真●ジュニサカ編集部、Getty Images


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100%で練習して、100%で休む

――コンディショニングの重要性をどう考えていますか?

「コンディショニングという言葉ひとつでも様々な考え方があると思います。基本的なことを言えば、まずは 100%でトレーニングをすることが大前提です。そしてしっかりと休む。休むときにしっかり休まずに、またトレーニングを迎えてしまうと故障の原因やコンディショニングの不調に繋がってしまいます。疲労が残っているからとトレーニングを80%でやる状況が続くと、今度はコンディションが上がらなくなってしまいます。100%で練習して、100%で休む。まずこれが大前提だと思います。
 
 これは少し視点を変えた話になりますが、僕は小学生がプロのようにハードにトレーニングをして追い込むことはできないと思っています。小学生のうちは筋肉もまだ発達していないので、追い込めないんです。

 その意味で、僕は『練習をやり過ぎる』ことはないという考えです。ハードに練習しても、良い食事や良い睡眠をとれば、子どもの回復力でカバーできます。常に細胞が生まれてどんどん体が大きくなっている時期なので、どんな疲労も成長のスピードが凌駕するもの。ただ、小学生はまだ成長期であり、身体のバランスが変わっている時期なので、痛みがあるのに無理に練習し、障害が残ることがないように十分に気をつけないといけません。それに、集中力が欠けるとケガに繋がるので、小学生の集中力がどれほど続くのか、指導する大人が抑えないといけません。ただ、何も痛みがないならばたくさん練習してもいいと思います。
 
 休まなければいけない、こうしなければいけない、という正解はありません。ただ、明確になければいけないのは、指導者や保護者が子どもをよく観察することだと思います。正しい食事を指導し、睡眠時間を確保させ、生活習慣を整えたうえで、子どもから何かシグナルが出ていないかよく観察する。この選手にはこれだけ負荷をかけても大丈夫。この選手にはこれだけ負荷をかけたらダメ。それは人によってそれぞれです。だからこそ周りにいる大人が子どもの変化に気付いてあげられるかが大事です」

――トータルな意味でのコンディショニングですね。

「大事なのは身体だけではありません。コンディショニングの重要性は、心と体で50対50。コンディショニングを整えても試合に負けることはあるし、そのときに心の在り様次第で次に踏み出せるときもあります。世界で活躍する選手は、例外なくたくましい心の持ち主です。ぜひそういう選手を育ててほしいと思います」

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