サッカーの母国・イングランドで導入されている「サポートメンター」とは?
2019年10月02日
育成/環境7月末、イングランドFAが認めた国内に20人ほどしかいない「サポートメンター」を取材する機会に恵まれた。イングランドFAは2014年から「コーチメンタープログラム」をスタートし、コーチやクラブを指導サポートできる人材育成に着手している。そのコーチメンターの指導にあたっているのが、サポートメンターだという。その一人、ポール・ニアリー氏に80分ほど話を聞けたので、今月の特集ではイングランドの育成について紹介していきたいと思う。
ただし、取材は時間に限りがあったため、インタビューの公開は3週分になる。そして、インタビューを読むだけでは、イングランドの指導者が大切にしている大前提のものを汲み取るのに時間がかかってしまうため、僭越ながら様々な国の育成事情を取材している私が、第一弾で補足記事を書かせていただくことにした。読者のみなさまのより良い理解が進むよう、まずは今回の記事をご一読いただけたら幸いだ。
取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之

イングランドFAが定める4つのコーナーモデル
7月中旬、知り合いのサッカー指導者から一本の連絡が届いた。「イングランドからサポートメンターが来日し、各地で講習会などの活動を行うので取材しませんか?」と。これまでイングランドの育成事情を直接取材したことがなかったので、すぐに「ぜひお願いします」と返信した。
ちなみに、サポートメンターとは、イングランドFAが認めた国内に20人ほどしかいないコーチメンターを指導する立場の人だという。そして、コーチメンターとは担当エリアのコーチに対してより良い指導、クラブ運営などができるようにサポートする人物のこと。イングランドFAは2014年に「コーチメンタープログラム」を立ち上げ、国内に自分たちの指導ノウハウを広く伝えるためにこのプログラムをスタートした。
つまり、今回取材したポール・ニアリー氏は「コーチのコーチの指導者」にあたる。
7月末に神田のカフェで1時間ちょっと話を聞くことができ、日本の指導者にすごく有意義な内容だったため、インタビューを全公開しようと決めた。ただ、限られた時間での取材だったので、よりイングランドの育成の全体像をつかむために端折らざるをえなかった質問もあった。そこで、この第一弾は、第二弾からのインタビュー内容をよりわかりやすく読むための補足記事としたい。まず、イングランドFAが考えるサッカー選手を構成する要素は4つだという点から紹介しよう。
みなさんはサッカー選手を構成する要素がいくつだと思いますか?
例えば、ドイツやスペインではその要素を4つだと定義し、技術、戦術、フィジカル、メンタルとそれぞれの側面から選手の育成を考えている。これは基本的にヨーロッパ各国でも変わらない要素として認識されている。もちろん、各国でもう少し細分化している国もあるだろうし、要素が少し違うこともあるだろう。しかし、私が取材した範囲では、大まかなところでこの4つは変わらない普遍的な要素であるように思う。そして、イングランドではこの要素を4つのコーナーモデルとうたい、次のような項目で構成していた。ちなみに、日本の指導者が気にするタクティクス(戦術)はテクニックに含まれ、クラブによっては5コーナーモデルとして分けている場合もあるそうだ。
・テクニック
・フィジカル
・メンタル
・ソーシャル
私がポール氏を取材した印象では、イングランドFAがより「ソーシャル=社会性」を重要視しているように感じた。それを象徴するような答えがいくつかもあったのだが、例えば、ポール氏は「コーチの成長に必要なこと」をこう語った。
「…ネガティブなフィードバックこそが、次に必要なことです。そして、ネガティブなフィードバックをどう受け止められるかがコーチの人間性です。(コーチ)メンターはネガティブなフィードバックを与えられるだけの信頼関係、人間性のつながりをもたないと成立させられません。だから、簡単な仕事ではありません。イギリスでは、私の下にメンターがいろいろいますが、その中の人たちが必ずしもハイレベルなコーチ資格を持っているとは限りません。
例えば、情熱的であったり、性格が良かったり、自分を成長させようとする意思があったり、自分のことをよくわかっていたり、コミュニケーション力が高かったり…。基本的に、イングランドDNAをしっかりデモンストレーションできる人がメンターになることができます。100チームあったら、100通りのDNAがあるわけです。つまり、ロボットを作らないことがメンターにとって必要な能力です」
このコメントの直後、彼は「コーチメンターがどんな人か、両親で例えると、あなたならどう定義しますか?」と私に質問をした。こういった考え方は、8月に取材したJ3「Y.S.S.C.横浜」の監督を務めるシュタルフ悠紀氏も同じような意見を持っていた。ぜひ興味がある人は記事を読んでほしい。
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