今年はセレクションがないかも…と、不安な子どもたちのために。湘南ベルマーレの「オンラインスカウト」とは

2020年04月28日

育成/環境

新型コロナウイルスの流行によってサッカーができる場所を失ってしまった子どもたち。練習も試合も無い状況が続く中、将来を不安視しているサッカー少年少女が多いことだろう。そんな中、ベルマーレフットボールアカデミーが子どもたちの不安を少しでも取り除くため、オンラインでのスカウト活動を開始した。湘南ベルマーレのアカデミーを統括する太田隆一アカデミーダイレクターに企画立案の経緯や活動に際しての思いを聞いた。

取材・文●片山実紀


湘南ベルマーレ(ジュニアユース)

 
「BELLMARE DREAM BOX(ベルマーレドリームボックス)」で未来へのチャンスを掴め
 

 今サッカーができなくても、将来の夢のためにできることはあるはずだ。

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスにより日本中で様々な活動が自粛された。日本サッカーの未来を担うサッカー少年少女にも影響が出ている。所属チームの活動が休止され、サッカーができる場所を失ってしまった。特に小学校高学年の子どもたちは、将来の進路について悩み始めるこの時期。ほとんどの子どもたちがJクラブのジュニアユースを目指し始める頃だ。そんな困っている子どもたちのために、湘南ベルマーレの育成組織、ベルマーレフットボールアカデミーは「BELLMARE DREAM BOX(ベルマーレドリームボックス)」という企画を4月14日(火)から開始した。

 プロサッカー選手を夢見る子どもたちに自分がプレーしている動画を投稿してもらいオンラインでスカウト活動を行うというものだ。対象は神奈川県内の小学5・6年生。期間は4月14日(火)から4月30日(木)までの約2週間実施する。動画は、20分未満の映像を3本まで投稿可能だ。

 本企画を計画したアカデミーダイレクターの太田隆一氏は、動画を利用したスカウトを行うことにした理由について、「育成世代のスカウト部門に関わるものとして子どもたちが困っているのを肌で感じていましたし、地域に根ざしたクラブとして今必要なものだと思いました」と、自身の思いを語った。

 彼は以前からオンラインで選手発掘ができるような仕組みを考えており、外出自粛要請が発表された後の3月25日にクラブに提案したそうだ。そしてクラブ全体の協力と迅速な対応があり、翌月の14日には実現したという。将来を不安視している子どもたちのために素早い対応の必要性を感じていたためだ。

 そのため、今回の企画では、対象を小学5・6年生に設定した。「他のクラブも含めてセレクションやスカウトの機会があるのか。5・6年生の選手と保護者の方々が今一番困っていると考えたからです」と、学年をこの2学年に絞ったわけを話す。

 今年はこの活動自粛要請により予定通りのタイミングでセレクションなどを行うことができないかもしれない。将来について考え始める5・6年生という時期に試合も大会も無いのは心配で仕方がないし、目標も立てられない。そんな状況の子どもたちに向けたベルマーレからの答えだったのだ。

 また、太田氏は動画を投稿する際、“試合の動画”をお願いしているという。トレーニングできていない選手が多いため、新たに撮影し、編集して投稿するのは選手にとっても保護者の方にとっても難しいだろう。そのため動画の基準を20分とし、小学生の試合時間が前後半20分なので最大で1試合半投稿でき、最近は子どもの試合を撮影している保護者の方も多いことからこのような形をとったという。

「みなさん、自分のプレーが良かった試合を選んで投稿してくれています。試合の動画がない子は自主練習とかを送ってくれています」と、動画を投稿してくれた人たちは、それぞれ考えて行動してくれているそう。

 サッカーができない状況の中でも行動してくれた子どもたちに対し、太田氏は選考の結果はその子の能力によって変わってくるだろうと答えた。動画を見て本当に良いと思った選手には所属クラブとも連絡を取り、基本的に一度プレーを見る機会を作ってから判断していくことになるだろうという。

「合格者については、6年生は来年ジュニアユースのU-13へ。5年生はすぐにでもアカデミーの中でもジュニアユースに最も近い強化特待クラスに所属してもらう方針です」と、選考の結果について語った。

 投稿されたすべての動画は出来るだけ多くのアカデミーのスタッフの目を通し、子どもたちのプレーを評価していく。また、太田アカデミーダイレクターは継続的にオンラインでのスカウト活動を行っていく可能性を示唆した。今回5・6年生に絞ったことも段階的に考えており、好評であれば今後他の学年で行うこともあり得るそうだ。4月30日の締め切り後に本企画で新たな動きもあるかもしれない。夢見る子どもたちやその保護者の方々は、ベルマーレフットボールアカデミーの動きに注目し続けていくべきだろう。

 活動自粛が求められる中、将来の夢を掴むことのできるチャンスはそう多くはない。数少ない機会を逃さぬよう、ぜひ自分から行動してみてほしい。

「プロサッカー選手を目指す一歩として、勇気を出して動画を投稿してみてください」と、最後に太田氏は子どもたちにメッセージを送った。


◆名称    BELLMARE DREAM BOX(ベルマーレドリームボックス)
◆募集期間    4月14日(火)~4月30日(木)23時59分
◆対象者     神奈川県内在住の小学5・6年生
◆提出方法    以下の申し込みフォームより、動画をYouTubeにて「限定公開」に設定の上、視聴URLをお送りください。

【申し込みフォーム】
https://www.members.jleague.jp/members/auth/index/BM/20163_nvdb_113

※限定公開に設定された動画は、URLを知っているユーザーのみが視聴可能です。限定公開動画は、チャンネルページの [動画] タブには表示されません。また、YouTube の検索結果にも表示されません。(やり方の詳細はフォーム内に記されています)
※動画の尺は「20分未満の映像を3本まで」とします。


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