チームの成長に応じたアプローチを。チームビルディングで意識すべき4つの過程とは
2022年07月04日
育成/環境チームは形成された直後からいきなり機能してハイパフォーマンスを発揮することはない。様々な過程を経ながらチームとして成熟していく。では、その過程ごとに指導者は子どもたちにどのようなアプローチを取ればいいのだろうか。
『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』より一部転載
著●福富信也
チームの成長に必要な過程を理解する
チームは形成した直後からいきなり機能してハイパフォーマンスを発揮することはなく、フォーミング→ストーミング→ノーミン グ→パフォーミングというように、順を追って成長していくのが一般的です。
ここからはチームの成長過程を表したパフォーマンス曲線につ いてご紹介します。
この曲線は、1シーズン、1試合、1回の練習など、あらゆる場面に当てはめて考えていくことができます。
チームづくりはコーチと選手の共同作業ですので、トップダウ ンが有効なタイミングが2回あります。1回目は、方針・コンセプトを提示するとき。2回目は、選手だけではストーミングストーミング抜け出せないときです。
■1試合の場合
試合前にはミーティングでは、コーチから、チームの方針、戦い方のコンセプトや個人への要求が明確に提示されます。
ミーティングで伝えられたことを意識して試合に臨みますが、 試合開始直後は相手の(ときには味方同士も)様子をうかがったり 「この動きでいいのかな」と躊躇したりするものです。試合の立ち上がりは「とりあえず指示どおりに動こう」と考えたりもします。
これはまさにフォーミングです。
時間の経過とともに、徐々に自分たちでコミュニケーションを取り始める段階へと移行します。
「守備で後手を踏んでいて困っている!」「攻撃の距離感が悪くてテンポが出ない」など、それぞれの意見や主張をオープンにしていきます。近くのポジション同士で話し合ってすぐに解決できることもあれば、チーム全員の共通理解を得なければならないこともあるでしょう。
リズムの悪い時間帯に、自分たちで意見を出し合い、試行錯誤を繰り返す様子はまさにストーミングと言えるでしょう。
戦いながら試行錯誤し、ベンチからのアドバイスも取り入れ、自分たちで手応えを掴んでいくことができれば試合のリズムを手 繰り寄せることができます。
代表的な例として、システム変更の決断が功を奏して一気に試 合の流れを引き戻すシーンなどが挙げられます。
そうやってノーミング(統一期)やパフォーミング(達成期・機能期)を迎えていくのです。しかしながら、相手チームもそのまま手をこまねいているわけではないので、また適切な手を打ってきます。
すると、チームは戸惑い、再び様子を見る段階(フォーミング)に戻ることになります。こうしたお互いの掛け合いや意図のぶつ かり合いが試合をおもしろくさせるのです。
つづきは『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』からご覧ください。
【商品名】『スポーツで役立つチームワークの強化書 「個」を生かすチームビルディング』
【発行】株式会社カンゼン
2022年7月5日発売
【書籍紹介】
日常に隠れた“成長の種”を見逃さない!
一体感は“背後のチーム”が鍵を握っている
心の安全を担保し“偽りの平和”から脱却する
ストーミング(混乱期)はチームの成長痛 etc……
チームづくりの着眼点を知り状況に応じた解決策を生み出すことができる!
スポーツ版チームビルディングの教科書。
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