“岡田メソッド”普及のキーマンが語る「原則で指導する」メリット
2021年03月08日
戦術/スキル元日本代表監督の岡田武史氏が代表取締役会長を務めるFC今治は大々的にピッチ内のコンセプトを打ち出すクラブである。日本サッカー界、特に選手の育成の面において注目度の高い“岡田メソッド”のキーマンである橋川和晃氏(アカデミー・メソッドグループ長)がクラブの価値を高めるプレーモデルの在り方について語ってくれた。
『フットボール批評 issue31』より一部転載
文●小澤一郎

指導に原則を用いることで指導者の成長も加速する
――岡田メソッドに出会ったことで、指導者としての橋川さんにどういう気づきがありましたか?
橋川 やはり全体像ですね。全体像から逆算していく考え方、指導の仕方。育成の指導者をやる中でテクニックだとかパススピードだとか個人戦術だとか、そういった部分はある程度自分の中でも整理されていました。それが岡田さんとの出会いにによって、全体像と紐づけられるようになりました。岡田さんから習ったのは、全体像をしっかりと捉えていくこと。あとはマネジメント力、分析力です。フィロソフィーに基づいてチームをマネジメントしたり、人を育てたり。それから、ゲームの分析をしっかりする力ですね。
――改めて、岡田メソッドにおける「原則で指導する」とはどういうことなのか教えてください。
橋川 トップチームに関してはチームを作る上での機能性だとか選手の組み合わせを考えないといけませんが、育成は原則で指導します。
例えば、ポジションの原則であれば、幅と深みをとる。「それはスペースを作るためだよね。でもスペースを作って幅と深みだけを取ったら広がりすぎてボールの近くに人がいない。だから、ボールに対して第1エリア(直接ボールに関与するエリア)、第2エリア(直接ボールに関与し、かつ間接的にプレーに関与するエリア)、第3エリア(間接的にプレーし関与するエリア)を作るんだよ。」と。第1エリアはボールにサポートする人、第2エリアは第1エリアからボールを引き出し有利なスペースに展開する人、第3エリアはバランスを崩す人。
それを理解していくと「第1エリアは?」「第2エリア誰が来る?」と、お互いの関係の中でポジションを取っていけるようになります。そうした原則なしに、いちいち口で説明するのは大変ですよね。
また、アカデミーでは「システムは自由でいい。目の前の選手で考えて」と言っています。あくまでも原則から導いていきます。例えばシステムでCBは開いてボランチが2CBの間に落ちて3枚を作るというのは、プレーモデルではありません。それはチーム戦術です。
――指導者のレベルアップは日本サッカーの大きなテーマです。コアなメソッドがあることで、おそらく育成年代の結果や勝利だけではない指導者の評価軸も生まれていくと思いますが、メソッドを作ること、持つことのメリットそういう面でもありますか?
橋川 あると思います。マニュアルではないんです。メソッドは軸になるものです。例えば、FC今治でも各年代でプレーモデルに紐づいたトレーニング・エクササイズがあるのですが、うちの指導者はそれらを参考にしながら、自分で考えています。あくまでそれをベースにして自分なりにアレンジを加えて変えていっているし、新しい発想がどんどん出てきています。
全文は『フットボール批評 issue31』からご覧ください。
【商品名】フットボール批評 issue31
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/03/08
【書籍紹介】
究極の2021Jリーグアナリティクス
Jクラブにとってコンセプトの5文字はもしかしたらタブーワードなのかもしれない。クラブのコンセプトをひけらかすことは、すなわち“秘伝のレシピ”の流出を意味する。もちろん、これはコンセプトという壺にタレが脈々と継ぎ足されているクラブに限った話ではあるのだが……。
コンセプトを一般公開できないとなれば、こちら側が様々な手法を使って分析していくほかない。なぜ、コンセプトの解剖にこれほどまでに執着するのかと言えば、抽象的にJリーグを眺める時代は終わりにしたい、という願望からである。そう、本質の話をしよう、ということだ。
今回は2021年のJリーグをより具体的に俯瞰できるように、J1・J2・J3のコンセプトマップを筆頭とし、補強からGKのコンセプトまで本質を抉る企画を揃えた。この「究極のアナリティクス誌」を携えれば、コンセプトなき“あのクラブ”が手に取ってわかるはず、だ。
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