【第38回全日本少年サッカー大会】決勝大会 ジュニサカ取材日記④「日本一に再挑戦のBUDDY、苦手克服のヘディング弾でJクラブ撃破」
2014年08月05日
大会情報日本一に再挑戦のBUDDY、苦手克服のヘディング弾でJクラブ撃破
(文・写真●平野貴也)
全日本少年サッカー大会は、第4日を迎えて2次ラウンドが始まりました。4チームずつ12組に分かれて行った1次ラウンド各組の上位2チームが出場し、今度は3チームずつ8組に分かれて総当たり戦を行います。8月5日は、2次ラウンドの第1戦が行われました。その中で輝きを放ったのが、5月に行われた「JA全農チビリンピック 小学生8人制サッカー大会」で全国2位となったBUDDY・FC(福岡県)でした。
ヴァンフォーレ甲府U-12と対戦して、2-1で勝利。Jクラブを破る活躍を見せました。結果はもちろんですが、内容面に成長が見られた点が収穫だったようです。1-0で迎えた後半、右からのセンタリングを千代島瞬君が頭で押し込んだゴールが結果的に決勝点となりました。千代島君は、元々ヘディングが怖かったそうです。
「相手のゴールキックを跳ね返すときは、人とぶつかることは少ないので怖くない。でも、クロスに飛び込んでいくのは、人がいるところに向かっていくので怖かった」と明かしてくれました。しかし、何度も練習してホームグラウンドでの試合でヘディングシュートを決めることで少しずつ自信をつけてきました。この試合では、巧みなトラップからドリブルも仕掛けていましたが、こちらも努力の成果でした。千代島君は「以前は、周りを見ないでトラップしていたから、すぐにボールを奪われた。でも、今は周りを見てどこに置こうか考えて、取られないようにできていると思う」と胸を張って答えました。
BUDDY・FCは、東京にあるバディサッカークラブで指導していた鶴丸聡一郎監督が「東京の子たちのような洗練された技術と、九州男児と言われるような気持ちの強さを融合させたチームを作りたい」という思いで立ち上げたチームです。今年のチームは平均身長が高いので体の大きさと強さが目立ちますが、実際には個々の技術や連動性のある攻撃にもキラリと光るものがあります。
先制点を挙げた佐藤聡史君は、得意の左足を武器にしながら、中盤で縦パスをスルーして味方のFWにつなぐなど、技術とアイデアを駆使しながら攻撃にアクセントを加えていました。佐藤君は昨年10月に左ひざをケガしてからは半年ほど試合に出られず、復帰してからも思い通りにいかない間はプレーに集中できなかったと言います。
「すぐに気持ちが顔に出ちゃうので、うまくいかないときはプリプリしていて、周りに当たってしまっていた。でも2、3ヵ月してからは自分がチームを引っ張らなければいけないと思って集中できた」と苦しかった時期を振り返ります。甲府戦では「球際を勝ち続ければ流れが来ると思った」とわがままなプレーではなく、チームのために献身的に働いて勝利に貢献しました。佐藤君は3兄弟。2人の兄は、ともに福岡県大会の決勝で敗れて、全国大会には出場できませんでした。だから「頑張って来いよ」と言ってくれた兄の分まで大会を頑張り、楽しんでいるそうです。
技術の上手さとハートのたくましさを鍛えてきたBUDDY・FCの目標は、チビリンピックで果たせなかった全国優勝です。明日6日は、同組の中で最も評判の高い柏レイソルU-12(千葉県)と対戦します。再びJクラブから金星を挙げられるか。技術とハートで戦うBUDDY・FCの戦いに注目です。
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