【JA全農杯チビリンピック2013】関東大会 決勝レポート
2013年03月25日
大会情報東京ヴェルディジュニアとヴァンフォーレ甲府U-12が
関東代表として全国大会に出場!!
3月24日(日)、押原公園(山梨県昭和町)にて「JA全農杯チビリンピック2013小学生8人制サッカー in 関東」の決勝があり、東京都代表・東京ヴェルディジュニア(以下、ヴェルディ)と山梨県代表・ヴァンフォーレ甲府U-12(以下、ヴァンフォーレ)が対戦し、2-1でヴェルディが優勝を飾った。
チビリンピックは通常のサッカー大会とは違ったユニークな試みがいくつか導入されている。まず、大会名にもある通り8人制サッカーであるということ。選手一人ひとりが自由に使えるスペースが11人制よりも広がることで判断と技術力を培わせようという狙いがある。
次に、フェアプレー精神やマナーの向上を促進するために1人制の審判を採用し、ピッチ上の選手に自己申告を促しているということがあげられる。選手自身がジャッジをすることにより、指導者や保護者などからの判定に対する異議が上がりにくくなるというメリットもあるようだ。
そして、この大会の最大の特徴が3ピリオド制(プレー時間36分:12分×3ピリオド)による競技方式だろう。第1、第2ピリオドは選手を総入れ替えし、第3ピリオドのみ交代を自由とするものだ。同一選手の出場は最大でも2ピリオドまでに制限され、全ピリオドに出場することはできない。この規定によって、指導者は出場登録が可能な20名の選手に出場機会を公平に与えやすくなる。だが、このレギュレーションは、何よりもチーム全体の総合力が試されることになるのではないだろうか。実際に、決勝まで勝ち上がった2チームとも攻守にわたって安定した戦いぶりを見せていた。どの選手も「ボールを受ける」、「ボールを渡す」ことの精度は高く、守りも含めてバランスの取れたサッカー技術を持ち合わせていたのだ。
優勝したヴェルディは、開始早々1分に個人技から抜け出して放ったシュートが先制点となり、6分には向かい風の中から打ち込んだミドルシュートが、鮮やかな弾道でゴールネットを揺らした。ピッチをワイドに使い試合を展開していく一方で、ドリブルのできるスペースがあれば積極的に仕掛けていた。選手個人がそれぞれの持ち味を存分に発揮していたことだろう。
惜しくも準優勝に終わったヴァンフォーレだが、正確なトラップと緩急のついたキックでヴェルディ陣内に攻めたてた。第2ピリオドには、コーナーキックからダイレクトにヘディングで叩きこむ豪快なゴールシーンもあり2-1と詰め寄ったが、ヴェルディの堅守にあと一歩およばなかった。
優勝したヴェルディと準優勝のヴァンフォーレは、5月4、5日に神奈川県横浜市で開催される全国決勝大会へと出場する。
このような全国を代表するチームが集結する少年サッカーの大会で、アクセスが良好な首都圏で開催されるものはわずかしかない。育成年代のサッカーとはいえ、それぞれの地域やクラブによって特色があり、見ていてなかなか面白いものだ。先に書いたチビリンピック独自の協議規定による大会運営は、クラブの運営者や指導者にとっても参考になるはず。また、決勝が行われる日産スタジアムでは、チビリンピックとしてサッカー以外の競技やイベントも行われ、スポーツ界からは豪華なゲスト陣も参加するなど、飽きさせない催しも行われる。まだ少し気の早い話だが、ぜひ、ゴールデンウィークの締めくくりとして、足を運ぶ計画を立てられてみてはいかがだろうか。
■優勝 東京ヴェルディジュニア 松尾洋監督のコメント
日頃から、「このシチュエーションでは何を選択すればよいのか?」という状況判断を子どもたちに考えさせるように心がけて指導しています。たとえば、ドリブルでの突破だけをイメージさせても効率的ではありませんので、ときにはパスも織り交ぜて、バランスのよい攻撃ができるようになることが大切です。この大会を振り返ってみて、ゴール前でのパンチの強さが足りないと感じました。パスを回すことができていても最後を決めきることができないことが多かったので、そこの部分の質を高めていきたいと思っています。
■準優勝 ヴァンフォーレ甲府 U-12 西川陽介監督のコメント
以前からパスワークは重視していましたが、肝心な部分で奪われることが多かったので、パスの質の部分を強化していました。パスの距離やパススピードにこだわり、その一方でドリブルでの仕掛けも効果的に使えるように指導してきました。うちはトップチームに地元出身の選手を送り出すことにこだわっています。山梨県は元々サッカーが盛んな土地柄ですので、僕らが全国決勝大会に関東代表として出場し活躍することによって、山梨県全体の少年サッカー界がさらに活性化してくれたら嬉しいです。
(文・写真●山本浩之)
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