久保建英、平川怜など「ユース世代」を成長に導く”J3の舞台”が意味する選手の育成
2017年10月11日
インタビュー現在、インドで行われている『FIFA U-17 ワールドカップ2017』に参加している久保建英選手や平川怜選手らがプロの試合を経験した”J3の舞台”。ユース選手がプロの試合で多くの経験を積むことができたわけだが、小学校を卒業して早ければ三年後にはプロのピッチを踏む時代が到来したことにどんな意味があるのか、FC東京U-23を率いる中村忠監督の言葉に耳を傾ける。
取材・文●後藤勝 写真●Getty Images、ジュニサカ編集部
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.43冬号』より転載
不利な局面が増えるからこそ、J3でやっている意義がある
――中村監督は2016年の半ばからFC東京U-23の指揮を執っていますが、シーズン終了までの半年間で感じた、J3とユースのちがいとはなんですか。
中村忠監督(以下、中村) J3には強い選手、速い選手、経験のある選手が年齢を問わずに集まりますから、ユースよりもレベルが高くなり、特に試合の強度にちがいが出ます。相手が強いプレッシャーをかけてボールを奪いに来る環境下で、ユースではできてJ3ではできないプレーがなんなのか、その差を選手ははっきり認識できるのではないでしょうか。J3を経験した選手がユースに戻ったときにあまりプレッシャーを感じずにプレーできるようであれば、J3への参加が若い選手の成長を促す手助けになっていると言ってもいいのかもしれません。
――やはり年齢制限のないJ3はU-18の大会とは異なる舞台なのでしょうか。
中村 はい。FC東京U-18には優秀な選手が多いので、同じ年代のチームが相手だと比較的長い時間ボールを持つことができますし、決定機の回数も増えます。しかし 同じようにJ3でできるかというと、容易ではありません。いまのJ3にはかつてJ1、J2で活躍した選手や、大卒で勢いがある選手がいますから、高校生相手の試合では得られない経験をしているように感じます。
――U-23はJ3の序盤戦で一方的に攻められ苦労していましたが、来季のトップ昇格が内定した高校三年生の岡崎慎選手、鈴木喜丈選手も、いまはずいぶんたくましくなったように映ります
中村 やはり、このふたりはユース世代だとあまり相手にやられるという機会が少なく、自由にボールを動かせます。でも今年のJ3序盤では、かんたんに当たり負けする場面もありましたし、1対1の局面で駆け引きを含めて後手を踏む部分もあったと思います。スピードもちがいます。考える時間がかかってもたもたしているとJ3では速いプレッシャーにつぶされる。しかし、一年間通してやってきて、センターバックの岡崎選手はいろいろな大きさの選手とコンタクトを繰り返して競り合いに強くなってきていると感じますし、ボランチの鈴木選手はプレッシャーを受けながらボールを動かす技術や、もう一列前の攻撃に絡んでいくところがうまくなり、中盤で競り合ううちにからだも鍛えられてきているようです。ふたりとも、それぞれの持ち味が伸びてきて、最初にできなかったことができるようになってきていると思います。
――できる、できないの差を認めることでそれが学習になり、対策を立てて成長していくのでしょうか。
中村 そうですね、たとえば、正当なチャージで当たりに行ったのでは負けてしまうのなら、ボールを獲れるようなポジショニングの準備をしておく、などです。高校生同士なら、アバウトなポジショニングをしていて反応が遅れても、入ってきた相手に勝つこともできますが、J3では勝てません。そこで考える必要性が出てきて、どういうポジショニングで相手の攻撃に備えればいいかと、常に頭を働かせるようになる。そこから始まり、いざ相手が近づいてきたときにはどういう寄せ方をすればいいかと、すべてを体験から学べる。不利な局面が増えるからこそ、J3でやっている意義があります。
――局面の工夫や90分間を通しての試合運びなど、総合的に知恵をつけていくんですね。
中村 はい。J3の序盤はその時点で持っている特長を出そうと懸命でしたが、次第に落ち着いてゲームを進められるようになってきていると思います。いまはふたり(岡崎と鈴木)ともれっきとした主力11人のうちのひとりという印象です。
――(当時)高校一年生の平川怜選手、(当時)中学三年生の久保建英選手もJ3に出場しましたね。
中村 平川選手と久保選手に関しては、U-18に入った頃は球際がゆるい、切り換えが遅い、そうしたところが課題でした。しかし、平川選手も久保選手もユースで練習と試合を繰り返すことで、ユースのプレッシャーのなかでできるようになってきました。U-18のTリーグ、プレミアリーグと、順次経験を積み重ね、一定の段階に到達したので次はJ3に、ということになったんです。高校二年生以下の若い選手たちに、早い段階からプロを相手に経験を積ませてい るわけですが、あくまでも段階を踏み、トップに近い選手を選んでJ3に出場させよう、ということです。二種登録されている 高校二年生の選手も4人だけですし、むやみに誰でも登録するというわけではありません。
――全体的に少しずつ上のカテゴリーにスライドすることで、あらゆる選手の出場機会が増えているようですね。
中村 毎試合U-18から数人の選手をU-23に招集し、佐藤一樹監督には大変な苦労をかけていますが、U-18の選手たちに出場の機会が増えていることは確かです。J3に出場する人数の分、U-18の各大会では選手を欠くことになるわけですけれども、そこでTリーグで先発していた選手がプレミアリーグに出場、活躍するなどの結果が出ています。
【J3出場経験のある品田愛斗選手、原大智選手、小林幹選手、久保建英選手らを擁するFC東京U-18はクラブユース選手権大会2連覇を飾った】
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