“和食”はサッカー選手にとって最高の食事? 元名古屋グランパス監督・ストイコビッチ氏「もし日本に来ることなく欧州でサッカーを続けていたら…」

2017年02月24日

コラム

Jリーグに管理栄養士がいなかった時代から初の管理栄養士として活躍してきた森裕子さん。名古屋グランパスに籍を置き、プロサッカー選手の『食』と20年以上向き合ってきた。そんな森さんが、グランパスのレジェンドであるドラガン・ストイコビッチ氏との出会い、彼の言葉から“確信”したことがあると言う。『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』から一部抜粋して紹介する。

(監修●森裕子/名古屋グランパス栄養アドバイザー 再構成●ジュニサカ編集部 写真●Getty Images)

『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』より一部転載


21 Jun 1998: Yugoslavia captain Dragan Stojkovic celebrates his goal during the World Cup group F game against Germany at the Stade Felix Bollaert in Lens, France. The match ended 2-2. Mandatory Credit: Shaun Botterill /Allsport

選手が教えてくれた和食の力

 私がグランパスに入ったとき、ストイコビッチ監督はまだ現役の選手でした。当時からすでに、納豆も梅干しも食べていましたね。

 監督の日本食好きのきっかけは、チームの日本人選手が、「これ、おいしいから食べてみて」と、納豆をすすめたこと。最初は、やはり納豆の味にびっくりしたようですが、食べるうちにしだいに納豆のおいしさにはまったのだそうです。

 今ではかなりの日本食通の監督も、来日当初は、日本の食事は未知の食べもので、慣れるまでに時間がかかったそうですが、チャレンジしていくうちに徐々に日本食の味に慣れていったと話してくれました。

 ストイコビッチ監督は、もともといろいろなものを食べてみようという好奇心が旺盛で、食べ慣れていないものでも、「コレハナンデスカ?」と聞いて、味見をします。「コレオイシイ」と言ったものは、2つも、3つもおかわりして食べてくれます。

 でも、監督が現役引退をするときに言っていた言葉を聞いて、はっとしました。「僕がこの年齢までサッカーを続けてこられたのは、日本食のおかげです」

 監督は、体のために、あえて和食を選んでいたのです。さらに監督は言いました。

「もし、日本に来ることなく、ヨーロッパでサッカーを続けていたら、どうだったか。ヨーロッパの食事は、バターやオイルを多用する調理法だし、そういった高カロリーの料理を食べていたら、太ってしまって、20代の体はキープできなかっただろう。この年齢までサッカーを続けることはできなかったと思う」

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