中学1年生が最後の砦!? 手遅れにならないための「自立」講座【前編】

2013年10月30日

コラム

「中学生になるんだから、もっと、ちゃんとしなさい!」と、自立を促すようなこと、大人なら子どもに対して思いますよね? それなら、早いうちに手を打ちたいところ。「中学1年生が最後の砦です」とも語る、JFAアカデミー福島やナショナルトレセンなどで言語技術を指導する三森ゆりかさんにお話をうかがいました。

取材・文●高畠正人 イラスト●舌霧スズメ

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.19冬号』P76-79より転載

 


子どもが納得しないのは、理由を説明しきれていないから
自立01
 思春期は精神状態や心理的なうえで、子どもが一種の親離れをする時期。なので、本来は思春期を過ぎてから自立を促すよりも、その前段階で手を打っておかなければいけません。

 そういう意味では、子どもの人格が出来上がる 12~13歳までに自立できるようにさせたいですね。中学1年生は最後の砦だと覚悟してください。

 しかし、それまでに会話がないような親子関係ができあがっている家庭では、中1でもギリギリです。急に改善させていくのは難しいですが、「私たちも改善するからいっしょに変わっていこうね」と問いかけるところから始め、“なぜ自立しなければいけないか”という理由を説明してあげてください。

 サッカーに紐づけるなら「サッカーには考える頭も必要でしょ? だから、日常生活から考えることができるように一緒にがんばろうね」と子どもと話し合い、合意することが大切です。

 この年齢にありがちな「お父さんはずるいよ!」という言葉に「親の言うことを聞け!」だけでは、子どもは納得しません。

 それを伝える場合でも「お父さんは仕事していて、稼いだそのお金で君たちは食べることができるんだよ。だから、ずるいと思っても、今の君たちの思いどおりにいかないことはあるよ」と、理由や根拠を説いて理解してもらう必要があります。つまり、親も子どもが納得する理由を用意しておかなければいけないのです。

 自分で考えることができるようになった子どもは、簡単に親の言うことを納得しなくなります。でも、それは普通の成り行きです。自分と親の考える理由が一致しなければ「それはおかしい」と言い返してくるでしょう。

 それに対して親は「自分がこう思うのは明確な理由があるからだ」と伝え、考えさせることを繰り返すことが重要なのです。結局のところ、親は子どもとタフな付きあい方を覚悟しなければいけないんです(笑)。

自立02

(後編へ続く。次回は10月31日更新予定)

 


 

プロフィール
三森ゆりか(さんもり・ゆりか)

東京都生まれ。中高の4年間を旧西ドイツで過ごし、1990年につくば学園都市研究都市に言語技術教室(現・つくば言語技術教育研究所)を開設。日本サッカー協会ではJFAアカデミー福島やナショナルトレセンなどで言語技術を指導する。著書に「コーチのためのジュニアサッカー指導法と練習メニュー」(池田書店)など。

 

 

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