チーム動画紹介第59回「FC芹ヶ谷東京」

2008年09月13日

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子どもたちの目標をサポートするクラブへ

 今回はFC芹ヶ谷東京(東京都町田市)の5・6年生の練習にお邪魔して、代表の友井徹さんにお話を伺いました。

「FC芹ヶ谷東京」ってどんなチームですか?

 FC芹ヶ谷東京の設立は2001年です。町田市立第二小学校の町二クラブと町田市立南第三小学校の南三小サッカークラブが母体となっています。町二クラブは活動歴が28年、また南三小サッカークラブも15年という歴史がありましたが、近年は両クラブとも団員数が減少して学年単位でのイレブンが組めず、活動もままならない状況でした。そこで、隣同士の小学校でもあるので、合併して活動していく道を選択したわけです。現在は、各学年20名前後の子どもたちが在籍しています。

チーム名の由来を教えてください。
 芹ヶ谷というのは、両校のあいだにある芹ヶ谷公園のことです。ふたつの小学校のどちらかの名前で活動すると、名の残らなかった方は吸収されてしまったようなイメージが残りますので、対等に合併したことのシンボルでもあります。
町田市の少年団はチーム名の前後に「町田」とつけることが多いのですが、FC芹ヶ谷町田ではなく、FC芹ヶ谷東京としたのは、目標としている全国大会の出場を果たした時に、東京代表のクラブであるというイメージをつけたいということからです。

チームの指導方針を教えてください。
 スポーツを通して健全な子どもたちの育成をしようというのが根底にあります。また、判断力が求められるスポーツのサッカーを通じて、自分で判断をすることや、自分の下した判断を仲間に伝えることができるようになって欲しいと願っています。技術的な面ではサイドから攻撃を仕掛けていくサッカーをモットーにしています。

平日も練習をしているようですが指導者はいるのですか。
 練習は土・日と木曜日にも行っています。土日はお父さんコーチが指導をしていますが、木曜日の練習については、OBの大学生や近隣にキャンパスのある日本体育大学のサッカー部の学生が指導をしてくれています。

お父さんコーチと学生コーチとの指導方針の統一は、どのように行っていますか。
 毎月1回、コーチ会を開催して、クラブとしての指導方針、学年としての活動目標の確認をします。学生コーチの皆さんにも参加してもらい、その場で意見のすり合わせをしていますので、お父さんコーチと学生コーチとで活動目標や指導方針のぶれる心配はありません。

試合の時、先発メンバーなど選手の起用方法について教えてください。
 決して勝利至上主義ではありませんが、全日本少年サッカー大会などクラブ全体の目標としている公式試合には学年の枠を超えて、クラブとしてのトップチームで出場しています。一方、市内の大会などは学年ベースでのベストメンバーで出場します。チャンスがあれば、ベンチにいる選手全員が出場できるようにと心がけています。
公式戦に出場する機会の少ない子どもにも、練習試合や多摩市、稲城市などの近隣16チームと共催している育成リーグ「多摩チャンピオンズリーグ」での出場機会を積極的に与えるなどしていますので、最終的には、すべての子どもたちが同じゲーム数を経験できるようにしています。

6年生の進路について、ジュニアユースのクラブセレクションの時期が近くなってくると、練習内容に変化はあるのでしょうか。
 今夏に行われた「全国少年少女草サッカー大会」の遠征先の宿舎で、子どもたちと進路や目標についての個別相談会を2晩に分けて各15分ほど実施しました。クラブの練習としては、個人のセレクションに向けての特別なトレーニングをするというわけではありませんが、その相談会で出た子どもたちが考えていることを指導者が把握しておき、それに見合ったサポートをすることが大切でしょうね。

合否に関わらず、セレクションを受けるという行為に意味はあると思いますか。
例えば、市のトレセンに選ばれたりすると、自分はサッカーが上手いんだと思ってしまうことがあります。でも、レベルの高い子は、セレクションの受験者には沢山いるわけです。そういった事実を認識して、まだまだ自分には努力が必要なんだと、新たな目標を設定することができれば、結果はどうであれ、決して無駄なことではないと思います。

この地域に対しての要望はありますか。
 町田市は昔からサッカーの盛んな土地柄なのですが、近隣の相模原市などと比較すると、スポーツ施設が不足しているようです。芝生のグラウンドが、2つしかありませんし、校庭の夜間開放をしている照明設備を完備した中学校は1校しかありません。我々も、行政と協力するなどして、何か手助けをすることができないかと考えているところです。

編集部コメント

取材の翌々日、6年生は『さわやか杯東京都少年サッカー大会』の地区予選があるそうです。
そこで、「試合のために特別な練習はあるのですか?」と質問をしてみると、「今日の練習でやったから、試合の時に、どうなるというわけではありません。大事なのは、日々の積み重ねなんですよ」との答えが、友井さんから返ってきました。
 収録した対面パスの練習メニューには、長い距離と短い距離のふたつのコースが作ってあります。長い距離での練習がおぼつかない場合は、難易度の低い、短いコースで練習をして、慣れたら長いコースに挑戦するようにしているのです。
 目先の試合を意識して練習をすることよりも、各自のレベルに合わせて、段階を踏んだ反復練習をしているこのクラブの姿勢に、ジュニア世代は育成年代なのだと改めて感じました。
(ライター 山本 浩之)

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