「コーチが怖いから」と入団を渋る息子

2012年07月10日

育成を考える

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みはコーチを怖がって入団を渋る小学4年生のお子さんのお悩みです。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

現在、体験入団をしている小学4年生の息子の話です。もともと運動神経は良い方で、足も速い方です。今はとてもサッカーが好きなようで、練習も試合も楽しんでやっていて、毎朝早く起きて自主朝練も頑張っています。ただ、もうすぐ体験期間が終わるのですが、本人に入団を確認すると「サッカーは好きだけど入らない」と言い出しました。入らない理由が見当たらないので深く聞いてみると、「コーチが怖いから」と。私としては、メンタルがあまり強くない息子を鍛えたい気持ちもあり、このチャンスに入団してほしいのですが、本人はなかなか決断できずにいます。自信をつけさせるよう、「コーチはあなたのために教えてくれているんだよ。期待してくれているんだよ」と言い聞かせても、なかなか首を縦に振りません。息子を前向きに強い気持ちで入団を決められるよう、後押しできる方法を教えていただけないでしょうか。

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叱られなければ何もできない子が、
メンタルの強い選手とは言えません

 怖いコーチのもとでサッカーをすると、本当にメンタルの強い子どもになるのでしょうか? 私は違うと思います。逆に、せっかく好きになったサッカーを嫌いになる可能性だってありますね。

 選手が成長するうえでの土台は、「サッカーが大好き」という気持ちです。そこをベースにして、負けたり、勝ったり、上手くなりたい! と意欲的になったり、できなくて落ち込んだりといったことをくり返して「成長」が生まれるのです。

 相談された保護者の方が考える「厳しさ」は、少し違うのではないでしょうか。
  以前、こんなお母さんがいらっしゃいました。私に「池上コーチ、もっと厳しく叱ってください! うちの子は少年団で殴られて、蹴られてやってきました。うちの子は打たれ強いんですから」と訴えてこられました。

 私は「そうですか。でも、私は日本一厳しいコーチですよ」と話しました。私のいう「厳しさ」は、自分で考え、発想して、自発的に取り組める選手を評価するという厳しさです。コーチに言われないとやらない、頑張らない選手は評価しません。一から十まで教えられ、叱られなければ何もできない選手が、メンタルの強い選手でしょうか。

 怖い顔で指示命令をし、怒鳴り散らすコーチのもとでサッカーをすると精神が鍛えられると思いこんでいる方はまだまだ少なくないようです。ですが、そろそろスポ根物語からは脱却しましょう。

 お子さんが拒否反応を示しているのであれば、「違うクラブもあるよ。体験に行ってみる?」と他の方法を探ってあげましょう。「真剣にやってみる?」と聞いてあげてください。クラブに入らなくても、週に1回のサッカースクールからスタートしてもよいでしょう。サッカーをするかしないか、どこでやるかを決めるのはお子さんです。

 無理強いしても、何もいいことはありません。例えば、試合に出られなかったり、友達にいじめられたりといったトラブルが起こったときに「僕はこのクラブには入りたくなかったのに」と悪い出来事を大人のせいにしがちです。自分で決める、自分で責任をとる。小学生でもそのようなことが何よりも大切です。

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