サッカー現場に潜む危険から守る!指導者&保護者のためのよくわかる熱中症対策

2013年07月12日

コラム
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猛暑続きの日本列島。熱中症の警戒が全国で呼びかけられるなど、まだまだ安心ができない状況です。熱中症は子どもたちの命にまで関わる重大な問題です。そこで今回は、国立スポーツ科学センターの川原貴さんに聞いた、よくわかる熱中症対策を紹介します。

文●植村誠 写真●佐藤博之

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.13』P70-73より転載


夏のトレーニングに潜む危険

昨今、熱中症による重大事故がクローズアップされ、その対策に関心が高まってきています。重症例では、倒れたと思ったそばからどんどん症状が進み、そのまま亡くなってしまうこともあります。そこまでいかなくても長期に休養をとらざるを得ないなど、さまざまなマイナス面についてもだいぶ知られてきました。

しかし、いまだにスポーツ時における熱中症は少なからず起きており、医療機関にかからなかった軽症例を含めると、相当数にのぼるとみられています。このことは、指導者や選手に熱中症に対する知識がまだまだ理解されていないということにならないでしょうか。

詳しくはあとで述べますが、例えば水分補給は熱中症予防に必須だということを理解されていながら、実際には選手任せにされていることも珍しくありません。選手たちはついつい頑張りすぎてしまい、必要な補水が怠りがちになってしまうのです。練習中の休憩にしても同様に十分でないというのが実態です。

こんなときに起こる熱中症

熱中症とは、暑熱環境によって起こる障害の総称です。熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病の4つの症状があり、スポーツでは主に熱疲労と熱射病が問題となります。とりわけ熱射病は危険度が高く、適切な処置が遅れると死につながることも少なくありません。かつては日射病とも言われていましたが、屋内や曇天下でも起こります。

熱中症は気温と湿度、風速、輻射熱(ふくしゃねつ=直射日光など)が運動することで生じる体内の熱とからみあって発生するため、それほど気温が高くなくても高湿度の場合にはそのリスクが増えます。したがって、真夏の炎天下はもちろん、いくぶん涼しく感じられる梅雨どきなどにも熱中症が起こる可能性はあります。簡単に熱中症の発生条件をまとめると、

・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
・陽射しが強い

となります。

 

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