サッカー現場に潜む危険から守る!指導者&保護者のためのよくわかる熱中症対策
2013年07月12日
コラムすばやい処置で危険回避!
熱中症が疑われる場合、まずしなければならないのが涼しい場所に移動し、身体を冷やすことです。熱失神や熱疲労では、風通しのいい木陰やクーラーの効いた室内などで休ませ、水分を補給すればたいていは回復しますし、熱けいれんでも生理食塩水(0.9%)の給水で通常は回復できますがこのような処置をしても回復しない場合、吐き気などで水分補給ができない場合には医療機関を受診させる必要があります。また、症状が現れたら、その日の練習や試合を休ませることも大切です。
体温が異常に高い、あるいは意識障害がある場合には熱射病の可能性があります。冷却処置をし、集中治療のできる医療機関に一刻も早く運ぶことが必須です。ただちに救急車を手配するとともに、衣服を脱がせ、皮膚に水(冷水でなくとも構いません)を吹きかけてウチワや扇風機などで熱を発散させます(気化熱を利用した冷却方法)。
氷嚢などがあれば、頚部(首)や脇の下、股関節付近などの太い血管がある箇所に当てて直接血液を冷やしましょう。熱射病は死につながる緊急疾患。一刻も早い処置を心掛けてください。
熱中症の予防とスキルアップとは表裏一体です。真夏の炎天下で過剰なトレーニングを課すよりも、環境と選手の体力にあったメニューで臨む方が熱中症の危険は少なくなり結果的に効果的な練習として子どもたちのレベルアップにもつながります。
夏という子どもたちにとって大切なスポーツの機会を活かすためにも、正しい知識を持っておきたいものです。
<応急処置のポイント>
①水を吹きかけて、うちわや扇風機などで熱を発散。
②首や脇の下、股関節付近などの太い血管に当てて直接血液を冷やすと効果的に。
プロフィール
川原貴(かわはら・たかし)
独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター、スポーツ医学研究部・統括研究部長。
<関連リンク>
・『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.13』
http://jr-soccer-shop.jp/products/detail.php?product_id=47
カテゴリ別新着記事
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【第56回全国中学校サッカー大会】
- クラブとともに戦い、走り続ける背番号13――。FC岐阜の永久欠番
- FCポルタ、デサフィオC.F、武生FCブルーキッズらがラウンド16進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- FC大泉学園が3連勝スタート!FCバルセロナ、千葉県トレセンなども2連勝で好発進【U-12 JSWC2025】
- トリアネーロ町田、マルバ千葉、TSAフットサルスクール、リオンJr.が準決勝進出!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fcがFCトリアネーロ町田を下し優勝を飾る!【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- マルバ千葉fcとFCトリアネーロ町田が決勝の舞台で激突【JFAバーモントカップ 第35回全日本U-12フットサル選手権大会】
- 青森山田中と神村学園中が2回戦で激突!流通経大付柏中、駒場東邦中などが1回戦を突破【第56回全国中学校サッカー大会】
- 神村学園が青森山田を撃破!近大和歌山、岡山学芸館清秀などが準々決勝進出【第56回全国中学校サッカー大会】