サッカー母ちゃんの”まだまだ”ドタバタ日記「第24回 ブラジルには『アイム・ソーリー』という言葉がない!?」

2013年09月19日

コラム

「あれ? ネルシーニョって、辞めたんじゃなかったっけ?」

辞めると言ったはずのネルシーニョ監督が、相変わらず元気にスタジアムにいるではないの。

「そうなんだよ、辞めると言っちゃったんだけど、ついカッとして間違ってしまった、ってまた戻って来たんだよ」と父ちゃん。

「えーっ、そうなの!」

レイソル対マリノスはレイソルの快勝。

いや~、ネルシーニョ監督、ブラジル人だなぁ~。
ミョーに納得しちゃった母ちゃん。

なんでかっていうと、その日、たまたまある本を読んでいて……。

それは、女優の故・高峰秀子さんと、作家の沢木耕太郎さんの対談。

対談の中で、沢木さんの本『イルカと墜落』の中の、沢木さんがブラジルで乗ったセスナが墜落した話になり。

ポンコツセスナに不安を感じながら乗り込んだところ、案の定というか、落っこちてしまうのです。

ふてぶてしいパイロットは最後まで謝罪なし。

腹を立てた沢木さんに現地の通訳が教えてくれるんです。

謝ってほしいというのは日本人のメンタリティー。ブラジル人は「アイム・ソーリー」に似た言葉で「シント・ムイト」というのがある、と。

「シント・ムイト」は「いっぱい考える」という意味。うんと考えることが、すまない、という意味になると。

結局、沢木さんはそれさえも言ってもらえなかったんですが……。

しかし、その「いっぱい考える」という言葉は面白い、気に入ったと高峰さんは対談の中で言っていました。

出戻りのネルシーニョ監督を見ていて、そのエピソードを思い出しちゃった!

考えてみりゃ、「ごめんなさい」「すみません」なんて言葉はそれほど意味がない。

過ちを犯した本人が、よくよく考えて、改善すればいいことで。

日本では、親や先生が、子どもに無理やり謝らせるでしょう? 

あれって、ホントに意味がないと常々思ってたんですよ。

スーパーで、公園で、「謝りなさい!!」って子どもに怒ってるお母さんがいっぱい。

「いっぱい考える」

うん、これでいいじゃないの。

日本の教育現場では、なにかというと、「反省」を強いる、というのがよくないと思うんだな。

反省は、それぞれが反省の意を表明することが目的なんじゃなくて、それぞれが、「いっぱい考える」ことでいい。

そして、次に結果を出せばいい。

ネルシーニョ監督のコメント。

「感情的になって、間違った態度をとった。一度決めたことを撤回するのは簡単ではないが、過ちに気づいていながら意地を通すほうが愚かだ」

たしかにね。

ネルシーニョ監督から「シント・ムイト」の言葉があったのかどうかはわからないけど。2日間のうちにいっぱい考えてたのは確かですよね!

日本の場合は、ちっちゃいうちから、「ごめんなさい」を言わせる教育ばっかりしてるよ。

「ごめんなさい」「すみません」がすっと出るのは日本の美徳だと思うけど、「ごめんなさい」を強要されてるうちに、「いっぱい考える」ことができなくなっちゃうんじゃないかなァ?

間違ったっていいんだよ。間違いながら、ブラジル式に「シント・ムイト」で、どんどん前に進んでいこうじゃないの!

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