親子でできるセレクション対策-ジュニアユース・ユースのセレクション合格への道とは-
2013年10月13日
読んで学ぶ/観て学ぶ自分のお子さんが「将来プロ選手を目指したい」と本気で話してきたら、みなさんはどんなサポートができるでしょうか。この時期はちょうどセレクションや練習会が多い季節です。今回は、実際にお子さんの夢を叶えるためにサポートしたお父さんから、親子でできるセレクション対策をお聞きしました。
文●田島正人 写真●編集部
子どもの夢を叶えるためのサポート
誰でも入団できる地元のサッカークラブに、小学1年生から入っていた息子が、小学4年生のときに「将来プロサッカー選手になりたい!」と突然言い始めました。自分はサッカー未経験者でしたが、子どもが夢を持ったことに対して応援したいと思っていました。そこで、サッカーの進路を調べたところ、小学6年生時には、ジュニアユースもしくは強豪中学校のセレクションが、中学3年生時にユースもしくは強豪高校のセレクションがあることを知りました。そこで、息子と一緒に、セレクション対策に取り組み、ジュニアユースに入り、強豪高校に入団することができました。今は、その強豪高校からプロサッカー選手を目指しています。子どもが必ずしもプロになれるとは限りません。それでも夢を持つ息子のために、何かできればと取り組んできたことが、今回ジュニサカの読者にも参考になればと思い、息子のセレクション体験から得た、セレクション合格の秘策を紹介します。
まず息子と一緒に取り組んできたセレクション対策から紹介していきます。私たちが大切に考えたのは次の4つの項目です。
(1)セレクション対策への意識
1つ目はセレクションに対する意識です。小学校での一般的なテストと中学受験のテストが異なるように、チーム活動で得るスキルとセレクションで求められるスキルが異なるケースが多いのが実情です。まずはそのことを意識することが重要と考えました。ジュニアユースのセレクションは、誰でも受験可能で、全体的にスキルの高い子も求めていますが、何かのスキルが突出した逸材も求めている傾向も強いです。よって、セレクション対策を考えれば、チームで目立たなくても、レギュラーでなくとも、何か突出したスキルをもっているのであれば合格できるのではと、感じました。
(2)「大きな目標」「小さな目標」「習得スキル」を考える
セレクションに合格するためには、まずは将来的に目指すポジション・プレースタイルを「大きな目標」として考えましょう。それは、普段のチームのポジションでなくても構いません。ただし、一気に「大きな目標」には届かないので、その「大きな目標」をもとに、中学生の試合を見ながら、数年後に目指すプレースタイルを「小さな目標」として考え、さらには、セレクションまでに身につけるスキルを「習得スキル」として定めましょう。
「大きな目標」「小さな目標」「習得スキル」を考えて決めることは、非常に重要です。その上で、直近の「習得スキル」を、チーム活動で自主練習できる時間、親子での自主練習、平日のサッカースクール、などにて習得に励みましょう。
ここでいう「習得スキル」とは、スピード、スタミナ、フィジカル、ドリブル、パス、逆足の精度、ロングキック、スローイン、FK、CK、ヘディングなど、いろいろあると思います。伸ばす「習得スキル」を複数考え、できれば数値目標(スローインで●mなど)を作って、楽しく取り組めればと思います。
ちなみに私たちの場合は、ロングキックの距離と精度、スローインの距離と精度、50m走、などを「習得スキル」としてきました。数値目標とともに「習得スキル」を書いて部屋に貼り、チーム活動の空き時間に練習し、親子の自主練習で定期的にテストを行いました。
クリアした場合は、数値を増やしたり、次の「習得スキル」を定めたりして、さらなるスキルアップに励みました。
(3)「志望チーム」を考える
続いては、「志望チーム」を考えることです。小学校高学年の時期に、通える範囲の公立中学校サッカー部やジュニアユース、寮生活となる強豪中学校やジュニアユース、なども見学に行きました。その中から、本人・家族で話し合い、「志望順位」を決めました。
私たちの場合は、寮生活は考えないこととし、練習場まで自転車で片道60分以内に通えるジュニアユースを受けることにし、数年の実績から強豪順に「志望順位」としました。
私と息子も小学4年生のときに、「習得スキル」と「志望チーム」を一度決めましたが、スキルの習得度合いやジュニアユースの練習場所・試合場所などの細かなリサーチを行い、話し合いながら変更を繰り返してきました。「習得スキル」だけでなく、「大きな目標」「小さな目標」も変更して構いません。「小さな目標」「習得スキル」や「志望チーム」「志望順位」を検討する上でも、ジュニアユースの試合やセレクションも見に行きました。実際に見学したりすることで、さまざまな情報が得られるはずです。
(4)セレクションを楽しむことを忘れず、チームの最終決断
セレクションの流れは、チームごとに毎年ほぼ同じです。前年に下見に来ていたので、流れのイメージはできていますし、ジュニアユースのメンバーや前年のセレクションで目立った受験者も意識して、習得スキルに取り組んできました。下見したセレクションにやっと参加できる喜びを感じ、習得スキルを発表する場として、「セレクションを楽しんでこい」とだけ言って、毎回送り出しました。また、セレクション前とセレクション終了後は、できるだけリラックスさせてあげられるように心がけました。
結局、幸いなことに息子は複数チームに合格しました。その後は、さらにチームのスケジュールなどを直接レクチャーしていただき、子どもと一緒に、悔いのないように1チームを選択しました。選択にあたっては、数年の実績と家からの距離に加え、ジュニアユースの監督やコーチからの「是非入団してほしい」という熱意も考慮しました。
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