すばやい判断力を身につけるために“目”を鍛えよう!【後編】

2013年11月14日

コラム

視覚能力の重要性はまだまだ認識されていない

 真下ドクターがこのような練習方法を考えるのも、「今の日本のスポーツ界では視覚能力の重要性があまり認識されていない」と実感しているから。

 例えば、日本サッカー協会が出しているキッズドリルの中にも、眼を鍛える内容が盛り込まれていない。確かに技術が身につかない原因として「視覚能力の不足」を考える指導者は少ない。

「静止視力が低ければ、まずそこから改善しなければなりません。中学生はコンタクトレンズを使えますし、18歳以上ならレーシック(角膜屈折矯正手術)も可能ですが、小学生の場合は矯正が難しい。そこで今、我々はスポーツゴーグル(アイガード)の使用を考えています。割れないゴーグルをつけてプレーすれば、上手にプレーできなかった子が急にうまくなる可能性もある。
 浦和レッズのハートフルクラブでも眼の悪い子がいて、どうすべきかという話が出たそうです。実際、視力が低いとボールのスピード感も違うし、反応も遅れてしまう。左右の視力が違う(いわゆるガチャ目)でもプレーには大きく影響する。だからこそ、指導者や保護者には子どもの見る力をより重視してほしいと思います」

 真下ドクターのいうように、眼の力を軽視してはいけない。サッカーをするにあたり、まず静止視力がどのくらいあるのかを確認することから始めてもいい。すばやい判断力を養うためにも、見る力を伸ばすトレーニングも積極的に取り入れたいものだ。


プロフィール
真下一策(ましも・いっさく)

スポーツビジョン研究会代表。日本体育協会公認スポーツドクター。広島大学医学部卒業後、東洋工業サッカーチーム(現サンフレッチェ広島)のドクター、広島東洋カープのチームドクター(首都圏担当)をはじめ、さまざまな競技のチームドクターを務めた。昭和63年にスポーツビジョン研究会設立。スポーツビジョンの普及活動に尽力している。

 


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