練習前にまずは体を確認しよう! 足裏のアーチ、ゆがんでいませんか?【前編】
2013年11月27日
コラム足裏の状態こそ、健康のバロメーター
「私は患者さんのまず足を見るんです」と渡邊先生は言う。足裏の状態は健康のバロメーターだそうだ。さらに左右での靴底の減り方の違いや、靴底のどの部分が極端に減っているかで病気も予測できる。
「例えば子どもが練習を終えて帰宅したときに『足が痛い!』って言ったとしても『サッカーのやりすぎだよ!』で終わってしまうことが多いんですよ。あるいは『他の子も痛いって言っているのにやっているんだからもっとがんばれ!!』とか(笑)。大抵の人はそれが体のゆがみからきているとかは考えないんですよね」
足裏がゆがんでくると体もゆがんでくる。足裏がゆがむというのは家で例えるなら地面がゆがんでいるのと同じことだ。そこの土地にいくら立派な家を建てても、結局はゆがんできてしまう。
たかが足をバタバタさせて走るだけ、ちょっと姿勢が悪いだけ、つまずくことがある……。今はそのこと自体を大したことではないと思うかもしれないが、捻挫や痛みといった足の故障、肩こり、腰痛を引き起こす可能性をもっているのだ。
足裏のアーチとは? 扁平足は生まれつきでなく二次的なもの!
では、足裏のゆがみとは具体的にどのような状態を指すのだろうか。
まず、この3点の支持によって足裏のアーチが決まってくる。これはカメラの三脚と同じように一番安定している状態だ。
アーチをつくることで運動時に地面に力を確実に伝えたり、逆に衝撃に対するクッション機能を果たしているが、この3点支持のアーチが崩れると、足面からの衝撃吸収能力が落ちたり、力のバランスが偏ったりする。
結果マメができやすくなったり、各種の痛みが出やすくなる。足裏アーチのゆがみが扁平足や外反母趾の原因となり、ひいては体のゆがみの原因に発展することもある。特に今の子どもたちはこの3点が崩れている子が多い。
「原因はいろいろあります。まず歩かないことです。さらに小さい頃から外遊びをしてジャンプしたり走ったりしない。これらは足の裏が重力を感じる動作なんですね。また平らなアスファルトの道路に体育館ばきみたいな平べったいシューズを1歳~3歳くらいの子に履かせますよね。ああいうのもよくない。
サッカーでいったらスパイク。試合では仕方ないこともありますが、練習ではなるべく履かせないようにすることです。スパイクのインソールは全体的に薄くてほとんど平べったい。足裏のアーチをなくしやすい構造なんです」
よくバタバタと走る子どもを見ることがある。これは足裏にアーチがない扁平足に見られる走り方だ。赤ちゃんのときからある程度の足裏のアーチはあり、歩きはじめて抗重力運動をするようになるとこれが段々と発達してくる。
しかし先程の渡邊先生のあげた原因などによって、体の重心がかかとに偏るようになると、アーチ形成の筋力が低下し、アーチが崩れて平らになってしまうことがある。結果、扁平足になったり腰を悪くすることにもつながる。
また足が遅い理由には、走るときに大腰筋が弱く、ももが上がらないというのもあるが、他にも足裏のアーチ形成がないために走るときに、足の親指あたりで地面をつかんで蹴りだせないことがあげられる。
地面を蹴りだす力がもっと強くなれば、より速く走れる。よく上り坂を走らせたあとに平地を走らせると足が速くなったと聞くが、これは上り坂で普段あまり使っていない指を使ってしっかりと蹴りだす感覚をつかんだために、結果として速く走れるようになったのである。
■足裏のアーチとは?
足の裏には土踏まずが3つある。この3点を結ぶと、横アーチ(AB間)、内側のアーチ(AC間)、外側のアーチ(BC間)の3つのアーチができる。このアーチ構造が地面から衝撃を守るクッション役となったり、地面をつかむ力を引き出す(=速く走れる)。
ゆがみでアーチが崩れると……
何らかの原因でゆがみが生じると、アーチ構造が崩れてしまう。その結果、扁平足になったり、衝撃を吸収できないために足やかかと、膝への痛みへとつながりやすい。
プロフィール
渡邊 泉(わたなべ・いずみ)
1959年生まれ。プロ・コーチとして2003年に独立。コーチ・セブンピースを立ち上げる。独立1年目に執筆・監修した『実践 親子会話術』が話題となり、以降、セミナーや講演依頼が殺到。ユーモラスな内容で好評を博している。著書に『ザ・コーチ The Coach ─最高の自分と出会える「目標の達人ノート」』(プレジデント社)。
三宿整骨院ホームページ
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