自律神経のバランスを整えてパフォーマンスアップ!【前編】
2013年12月07日
コラムベストパフォーマンスを発揮するための具体的な方法
――この前提を踏まえたうえで、試合でベストパフォーマンスを発揮するためには何をしたらいいでしょうか。
小林 一番わかりやすいのが呼吸です。息を吐くと、副交感神経が上がることが、実証されています。そして自然に息を吐けるのがため息。ため息は悪いものとされていますが、自律神経を整えるにはとても大切なことなのです。
――緊張やプレッシャーを感じているときこそため息ですね。
小林 はい、ぜひ試してみてください。あと、効果があるのは匂いですね。好きな匂いをかぐと、副交感神経が上がります。プロ野球選手の中にはリストバンドに好きな匂いをつけておき、ネクストサークルや打席でかいでいる選手もいますよ。
――それは知りませんでした!
小林 風の香りや草花の匂いを意識的に感じることもいいでしょう。自然を味方につけるのです。サッカーの練習を始める前に、グラウンドの周囲をみんなで歩きながらでもできます。
――これは、周りが見えていてこそできる方法ですね。
小林 次は指導者にお願いしたいのですが、チームの中で「決め事」を作ってほしいですね。たとえば、水泳の50メートル走であれば「はじめの20メートルだけ思い切り泳ごう」と決めておく。あらかじめ約束事を決めておけば、子どもたちは結果を気にせずに泳げます。というのも、子どもは数字に弱い。結果に流されやすいのです。「1位」「優勝」というものを意識すると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
――それは体の中でどういうことが起きているのでしょうか?
小林 迷いや不安、ストレスを覚えると、交感神経が上がり、副交感神経が下がっていきます。心拍数・血圧が上昇するとともに血流が詰まってしまい、体の動きが悪くなる。これでは持っている力を発揮することができません。
――迷いを消すために、決め事をもうけるわけですね。
小林 そういうことです。サッカーでいえば、PKの話がわかりやすいと思います。試合に臨む前から、「PKになったら左に蹴る」とチームで決めておくのです。PKになってから、キーパーがこう動くからこっちに蹴ろうなんて思っていたら迷いが生まれるだけ。プロならいいかもしれませんが、子どもたちの場合はそこまでの技術力もないでしょう。迷いをなくすためにも、決め事をお勧めします。
(後編へ続く。次回は12月8日更新予定)
プロフィール
小林弘幸
順天堂大学医学部教授 日本体育協会スポーツドクター
1960年、埼玉県生まれ。1987年、順天堂大学医学部卒業。06年より現職。近年では交感神経と副交感神経について研究している。『なぜ、「これ」は健康にいいのか』(サンマーク出版)『「これ」だけ意識すればきれいになる』(幻冬舎)など著書多数。
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