「子どもの悩み」を解決! 親が気になるカラダのギモンQ&A①

2013年12月14日

コラム

Q.サッカー選手において早生まれは損?

イングランド代表選手の誕生月を調べたところ、入学時期に近い9月~11月生まれが多かったという調査があります。これを契機に、サッカー界では誕生月の影響が注目され始めました。その後、Jリーグでは、4月~6月生まれの選手が早生まれの選手よりもかなり多いことがわかりました。学業成績では、国語や算数は小学校低学年の頃になると誕生月の影響がなくなりますが、体育だけは高校時代まで誕生月の影響を残します。

 なぜ、スポーツでは誕生月の影響が認められるのでしょうか。それは4月~6月生まれの人は身体や運動機能の成長が他のグループよりも早いからです。成長が早いということは、背が高く、走る力もある、ということです。その結果、レギュラー選手にもなりやすく、地域の代表選手に選抜される機会が増えます。多くの練習と試合を経験することにつながっているのです。

 しかし、人間の発達はそんなに単純ではありません。早熟や晩熟、得意や不得意といった個人差は、誕生月の影響を小さくします。また、子ども時代に多くの練習や試合をすることが、さまざまな問題をもたらすることはよく知られています。例えば、オーバートレーニングとなり、怪我を頻発させます。心の面ではやる気の消耗を招くことにもなりかねません。これらの心身の問題は、サッカーを継続することを難しくします。

 長期的な視点では、早生まれが損かというと必ずしもそうではありません。何よりも大切なことは、サッカーを楽しく続けていけることです。ちなみに、元日本代表の宮本恒靖氏は2月生まれです。


アドバイザー
奥田援史先生
滋賀大学教育学部准教授。運動心理学が専門で、双生児研究や早期教育について調査をしている。サッカーは、小学1年から始め、関西高校ユース代表になったことがある。スポーツ少年団のコーチもしたことがある。現在、滋賀大学教育学部サッカー部監督。


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