ジュニア年代では、数的優位のゲームを取り入れよう【前編】

2014年01月22日

コラム

指導現場で起こりがちなポゼッション練習の弊害

 昨今、大人も子どものサッカーも同様に『鳥かご(ボール回し)』といったポゼッションのトレーニングがとても多い。ボールをとられないためにどうするかをトレーニングすることは、もちろん必要ですが、子どもたちに「とられないように」を言いすぎると、縦にフィードしたり、スペースに速いスルーパスを出したり、またそういうボールをもらおうとする動きがなくなります。気がつくと、ボールはいつも安全な外側しか回らない。ゴール前には、なかなか進みません。

 ある地域のトレセンの6年生を集めた練習会で見た光景です。

 ゴールを置かずに、6対3でボールをキープするポゼッションの練習をしていました。6人側がパン、パン、パンと少ないタッチで小気味よくボールを回します。守備側の3人は全くボールをとれません。すごくうまい。

 ところが、ゴールをつけてゲーム形式にしたら、ボールは回るのですがゴールに近づけません。ガチャガチャというか、ボールをこねまわすような状況になります。逆に3人側の方がボールを保持すると、人数が少ないものだから残りのふたりが一番いいポジションに走ってシュートまでもっていくわけです。

「これはどうなってるんでしょうね?」私は思わず指導者に聞いてしまいました。「ゴールがなかったらボールはよく回っているのに、ゴールが出てくると攻撃できない。この練習の意味は何でしょう?」ゴールを目指すのがサッカーなのに、それぞれが安全なボール回しをしているだけになっているのです。

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