スペイン流ストライカー育成術 ゴールを決められる選手をどう育てる?

2014年05月16日

コラム

素質を見極め育成。ポイントは自分の型

 スペイン代表のDFジョルディ・アルバ、最近ではラツィオでトップデビューを果たしゴールも決めているFWケイタを輩出したことでも有名なカタルーニャ州の名門クラブ・UEコルネジャでユースコーチとして活躍する坪井氏は、

 「環境も重要ですが、ストライカーとなる要素を持った選手を見つけてくることもすごく重要です。コルネジャは近年の知名度の向上に伴って良い才能を持った選手が集まるようになりました」と話す。

 「ゴールを決められる選手というのは特別な何か、特に最近のサッカーではゴール前のスペースが本当にないのでスピードや高さなどフィジカル面での武器を他のポジションの選手よりも持っている必要があります。あと、『どんな形でも自分が点を取ればこのゲームは勝てる』という自信、アグレッシブさを誰よりも持っていなければいけません」。

 ゴールを決められる選手を見極める視点について、坪井氏は具体的にこう述べる。

 「ゴールの形を持っているかどうか。例えば、スルーパスで抜け出すのが上手い、絶対的なスピードがあり1対1の局面では突破してシュートまで行けるなど、自分の型はすごく重要な要素です。シュートを打つ場所についても、例えば『この角度だったら確実に決められる』といったもの。

 そういった自らの形というのは、選手のフィジカルコンディションやテクニックレベルによって自然と生まれるもので、ストライカーというのは必ずそれを持っています」。

 つまり、ストライカーは育てるよりも先に、まずその要素があるかどうかを見極める必要があるということ。もちろん、その要素や溢れる才能があったとしても、それを見つけるだけでは単なる「タレント」止まりで、ゴールを決められる本物のストライカーには育たない。育成年代、とりわけジュニア年代で見極めた才能・選手をどう伸ばせばいいのか。坪井氏には具体的な指導方法についても話しを聞いた。

 例えば、リアリティに欠けるポストシュートの練習メニューは坪井氏から言わせると「単純なボール扱いの練習として多少は必要ですが、それだけでは実際に点を取ることはできません」となる。

 「ジュニア年代ではマークを外す方法や、シュートアクションで求めるテクニックを実戦形式の練習で習得させていくべきだと思います。例えば、誰もが知っているような2対1の練習であっても、ボールを持っていない選手がどのようにマークを外せば、シュートまで持っていけるのかを指導者はきっちりと指導していくべきで、スペインではそうした指導が低年齢から丁寧に行われています」。

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