「話したくなる空気」をつくることから始めよう。「伝える・話す力を伸ばす」 池上流メソッド

2014年11月18日

コラム

サッカーでも日常生活でも「伝える力・話す力」は求められます。しかし、いきなり、大人がもっと自分の意見を言いなさい、と子どもを急かしても意味がありません。子どもが「伝える力・話す力」を身につけるためには、きちんと方法があります。

文●島沢優子 写真●編集部

『ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.32春号』P116-119より一部転載


自ら発信できない子どもたち

 最初に子どもたちの現状からお伝えしましょう。

 例えば、試合のときベンチサイドから「ポジションを修正し合うようにみんなに言って!」とコーチが声を張り上げても、子どもたちは仲間の顔を見るだけで口を開こうともしない。なかには、どうすればいいかわからないからなのか、視線を落として顔を上げようともしない。幸い何人かが伝えようとしても、どこかで途切れて全員に伝わりません。

 練習中も同じです。コーチがメニューの説明をしても、みんなに回らない。「あ、あいつわかってなさそうだから伝えなきゃ」という気づきがない。気づいたとしても伝えるのが面倒なので知らん顔。もしくは、「何て言えばいいのかわからない」と伝えようとする努力をしません。

 ところが、「先生が怒って言ってるから」「コーチがこう言ってるから」という枕詞がつくと広がりやすい。ただし、先生が言っていることが本当に重要だと感じて伝え合っていないので、きちんと浸透しません。子どもたちに「自分たちで話し合って」と促しても、口を開くのはいつも決まった子だけ。多くの子は黙ったままでシーンとしています。「どうしたらいいかな?」「僕はこう思うけど、君は?」などといった活発な会話は聞こえてきません。
 
これは、大人の強権で指示命令されることの多い今の子どもたちの現状です。学校や家庭で「こうしなさい」と指示されるままに動く。子どもたちだけで相談して何かを作り上げたり、動くような経験が少ない。伝え合う力、話す力をつける機会が十分に与えられていないのです。文部科学省の指導要領の中に「伝え合う力」の養成が記されているのに、どうしたことでしょう。

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