ヨーロッパでの指導経験を持つ「村松×中野」が語る! 小学生年代からチームとしての守備戦術を学ぶには?
2015年03月06日
コラム「日本が世界と戦うには…」。そう呪文のように唱えながら、昨今多くの指導者が様々なチャレンジを繰り返してきました。そして、「攻守に連動すること」とある一つの方向性にたどり着き、トレーニングを重ねてきました。しかし、解説者をはじめ、国内外の識者からは「日本はチームとしての守備戦術が未熟だ」とよく言われています。そこで、ヨーロッパでの指導経験を持つ村松尚登氏と中野吉之伴氏に「ジュニア世代から守備戦術を身につけさせるには?」というテーマで話をしてもらいました。
(取材・文●木之下潤 写真●編集部)
ドイツのある指導者が提案したトレーニング法
――最近、本誌の取材で様々な方々にお話を聞いていると、「日本はチームとしての守備戦術が未熟だ」ということを耳にします。これは、本誌最新号の特集テーマ「チームプレー」と重なるところですが、チームとしての守備戦術を身につけさせるためには、どうアプローチすべきだと、お二人はお考えですか?
中野 ちょうどこの間、ドイツの指導者仲間と守備戦術の練習方法について話をしたところでした。彼から教えてもらった、チーム全体としての守備の仕方(動き方)を身につけさせるために行っているトレーニングを一つご紹介します。前提として、ジュニア世代で一般的な8人制サッカーでの話です。
まず、フォーメーションは「1‐3‐3‐1」です。ここがおもしろいのですが、全員を積極的にゲームに参加させるため、ディフェンダーを置きません。つまり、GKを一人据え、最終ラインの3は中盤、その前の3は攻撃的MF、1はFWという設定をするのだそうです。
すると、「ディフェンダーがいないから中盤でしっかり守らなければいけない」という概念が選手たちに擦り込まれます。FWも攻撃的MFも中盤も攻守にボールに絡む動きが求められるわけです。
特に低学年のチームだと、ディフェンダーと伝えてゲームをやらせると、守る人だと思い込んで攻撃に参加しようとしないし、中盤も攻撃の選手も守備がいるから守るときに細かいポジション修正をさぼりがちになります。
村松 おもしろい考え方です。11人制のサッカーで言えば、守備ラインをなくし、中盤と攻撃の2ラインでゴールをわらせないように守らなければいけないということですね。
中野 ええ。ようするに、「全員守備、全員攻撃」というサッカーの基本的な考えを植えつけようとしているだけなんです。攻撃と守備をわけて考えるのではなく、もっとアグレッシブにボールに、ゲームにかかわろうということをそのドイツ人指導者は教えたいと思い、ディフェンスを排除することを考えついたのだと思います。まあ、一つのアイデアですね。
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- U-17日本高校サッカー選抜メンバー発表!【J-VILLAGE CUP U-18】
- サッカー日本代表メンバー発表。上田綺世や伊藤洋輝が復帰!【FIFAワールドカップ26アジア最終予選】
- U-18日本代表メンバー発表!【第7回 J-VILLAGE CUP U-18】
- 「東北トレセンU-13」が開催!
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー
- 「JFA アディダス U-12 DREAM ROAD」スペイン遠征参加メンバー発表!全少で活躍した選手を中心にチームを構成
- 人生最大の挫折――。本田圭佑がガンバユースに昇格できなかった本当の真相【後編】
- 「6年生の秋から11人制にするのが妥当」。改めて考えたい8人制サッカーのメリットとデメリット/関西クラブユース連盟 宮川淑人氏 編【短期連載】
- 【ダノンネーションズカップ2017 in JAPAN】大会フォトギャラリー
- 「ドリブルしろ!」「パスを出せ!」では伝わらない。選手を最適なプレーに導く“言葉の細分化”