「もう外国から学ぶ時代ではない」川崎F・風間八宏監督が語る日本サッカー“真・技術論”
2016年01月17日
コラム戦術や戦う気持ち以前に問わなければならないことがある。日本は本当に技術力が高いのか、ということである。日本サッカーをもっと面白く、もっと強くするために、いま何よりも真剣に考えなければいけないのは「技術」についてである。サッカーを定義した上で技術をとことん追求する川崎フロンターレの風間八宏監督の言葉を『フットボール批評issue09』から一部抜粋して紹介する。
(文●木崎伸也 写真●Getty Images)
日本サッカーの「技術」は本物か?
――日本代表がブラジルW杯やアジアカップで早期敗退し、日本サッカー全体が頭打ちになっている印象があります。「日本には技術はある」と言われてきましたが、それも幻想だったのかもしれません。たとえば、動きながらボールを扱える選手がほとんど見当たりません。
「普段、動きながらボールを扱うようなサッカーをしていないからでしょう。でも、解決策はある。日本人は認識をさせたらどこよりも早い。つまり認識をさせればいいんです」
――どういうことですか?
「今は育成の段階で、そういう技術をきちんと認識させられていないのではないでしょうか。Jリーグのクラブユースにはいい選手が集まりますが、その弊害もあり、地域レベルでは簡単に勝ててしまう。でも、あまりに早くチームの中での立ち位置を決めてしまう恐れもある。それによって、1人で守って、1人で(ゴールを)決めて、1人で勝つような天然ものの選手が出てこない可能性もあるように思います」
――発想が限定的だから、偏った技術になっていると。
「指導者も迷ってしまう。迷いをなくさないと。情報量の多さによって、やらなければいけない、やってはいけないことにしばられてしまいがちな気がします。これは私が以前から言っていることですが、現在のS級ライセンス制度は、勉強することによって各自が持っている独自性が逆に薄れていくような傾向にあるのではないでしょうか。トップレベルでやってきた元選手はもとより、それぞれの世界で培ってきた経験をもっと生かすべきだと思います。誰でも学べばできるような勉強によって消したらもったいない。そろそろ指導の仕方やS級ライセンス制度など、いろんなことを見直さなければならない時期が来ていると思います」
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