両足でうまくボールを扱えるようになるには? 悲願のEURO制覇を果たしたポルトガル独自の選手育成法から学ぶ
2016年07月13日
コラム興味を湧かせるためにユーモアをまじえて
「なぜ左足で蹴ることが必要なのか?」という質問に対して、ポルトガル人指導者は「イメージしろ。ゴール前でここ(自分の左足の前)にボールがある。こっち(自分の右側)からディフェンスが来ている。そのときに左足を蹴れないとゴールできないぞ」、ある人は「逆カルドソ(ベンフィカのFWで左足の強烈なシュートをもつ半面、技術は低く右足は全く蹴れないとされている選手)になりたいのか?」、またある人は「右足だけ蹴っていると足の筋肉バランスがおかしくなり、まっすぐ歩けなくなるぞ!(笑)」などとユーモアをまじえながら、その必要性を子どもたちの前で伝えているのです。
軸足云々と教えられるより、子どもたちにとっては興味が湧き、そのことについて少しずつ考えるようになる。これこそお腹が空きだした状態です。
そこから子どもは自分なりの答えを見つけていきます。ポルトガルの子どもたちを見ていると左足で蹴るべき場面でも、右足のアウトサイドで蹴ったり、ラボーナを使ってわざわざ右足で蹴る子どもが多いことに気がつきます。やはりクリスティアーノ・ロナウドやナニの影響であり、まさにお腹が減った状態のときに、彼らのプレーを見て真似しているのです。もちろん、子どもたちの方法に対して指導者は放っておくわけではありません。結果として〇〇へボールが飛ばなければ、「格好いいことをやるのは自由だが、やるならそこへ飛ばせ! 蹴れないのならコーチの言うとおりシンプルに左足を使え!」。こうやってまたお腹を空かさせるアプローチを始めるのです。
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