指導者なら知っておきたい『GK指導』のいろは。GKが習得すべき15の技術トレーニング

2017年01月11日

コラム

GKに育成には時間がかかる。だからこそ根拠を持った計画と内容を

 そもそもサッカーは得点を奪い合うスポーツだからゴールが生まれるのは当たり前なんです。私はGKとして年間100ゴールを決められても気にしません。ただ2年目に80ゴール、3年目に70ゴールと失点を減らしていけばいいのです。

 体のサイズ、また自信をつけさせたいからと小さいゴールで練習するのはいかがなものでしょうか。試合に生きる技術を身につけるには、小さい頃から本来のゴールサイズでトレーニングすべきです。

 基本的に『止める』技術を身につけるにはゴールを用いなければなりません。どの状況においても、どこにゴールがあり、どこに立ち、どの技術を発揮すべきかを決断しなければ高い技術を習得できないからです。体の動きを学ぶときにゴールを設置しない場合はありますが、それを技術として習得するときはゴール前でトレーニングをしなければなりません。GKのコーディネーションはボールとゴールがセットです。

 技術の習得に順番があることに触れましたが、GKは最小限の力でボールに反応してゴールを防ぐのが基本です。つまり、ボールに対して最短距離で効率よく体を動かして反応しなければならない。

 だから、最初に正しいキャッチングを身につけ、次にポジショニングのいろはを学ぶのです。そこからハイボールの処理には危険がともなうからケガ予防のため、その前に受け身を覚えさせるのです。数学と同じ。足し算と引き算ができなければ、かけ算やわり算ができないように、GKの技術習得にも順番があるのです。

 私の年間計画では、足元の技術が登場するのは7か月目です。つまり、半年間は手を使った技術をじっくりと養います。最初から40mのキックを正確に蹴れる選手をGKには抜擢しないでしょう(笑)。

 GKを育てるには時間がかかるからこそ、フィールドの選手と同じように根拠を持った計画と内容を作ってあげてください。

joan


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プロフィール

ジョアン・ミレッ
(Joan Miret)
1960年生まれ。スペイン出身。 GKとしてスペイン・リーグの2部や3部でプレーし、1985年よりGKコーチに転身。2000~2012年にゲルニカ(4部)でトップチームから育成まで全カテゴリーを統括するGKコーチとして活躍。アスレティック・ビルバオやレアル・ソシエダといった強豪クラブに多くのGKを輩出。2013年から湘南ベルマーレのアカデミーGKプロジェクトリーダーに就任。


 

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