「8人制に切り替わってからボールを持つことが楽になった」。個々のスキルを大切にするクラブの客観的な見解/ディアブロッサ高田FC 川上弘仁監督 編【短期連載】

2017年03月21日

コラム

子どもが発見することが必要だから大人は口を出しすぎない

――先ほど足の遅い子という話が出ましたが、フィジカルに特徴を持った子の方が使いやすいという印象をお持ちなわけですね。

「もちろん、全部のポジションというわけではありません。ただ全国的に見ても足の速い子や体の大きい子が起用されているんじゃないかなと感じます」

――ただ一方で、サッカーにはリズムや流れがあるので、フィジカル面以外に特徴を持った選手が重要ですが、川上さんの中ではそういった選手が少なくなったと。

「そうですね、残念ながら少なくなった印象はあります。ある意味、うちは劣っている部分を捨てて選手のいい部分を伸ばす方針でやっています。だから、たとえばフィジカル面で劣る選手を使う場合、その選手のいい部分に目を向けて劣っている部分は別の選手との組み合わせで試合に臨んだりしています。システムや選手起用で指導者が知恵を出して解決しています」

――たとえば全日本少年サッカー大会の時に、ディアブロッサ高田FCの中盤にも身長が低いけれどスルーパスを供給するなどアクセントになっていた選手がいました。

「あの子は幼稚園からうちのクラブに通っていますが、入団当初からそういうパスセンスがありました。お父さんがサッカーをやっていて、Jリーグの試合も見に行ったりしていたようです。本人はガンバ大阪の遠藤保仁選手のファンなんです。フィジカル的にはひ弱なタイプですが、もともと空間認知などの空いているスペースを感じられるセンスのある子でした。想像力を持っています」

――あの選手はどのように才能を伸ばしたんですか。取材時に練習を見ているとコーチ陣は選手に対してあまり口を出さないように感じました。

「私は子どもたちにああだこうだとあまり言いすぎないようにしています。たまに『さっきのあそこは見えてたん?』と声をかけるぐらいです。感覚的に接している部分もあるのですが、『あそこが見えててええやん』とあの子の才能の部分を認めてあげるというか。注意しないといけないのは周囲との関係性です。仲間たちが感じていないことがあるので、そういう場合は味方の選手に『あのパスは狙っているから感じてやらないかんな』と理解を広げてあげるように声をかけています。

 昔は私も口うるさくやっていた時代がありました。でも、無駄なんですよね、たくさん言いすぎても…。長く続けていく中で“子どもに詰め込みすぎない”というやり方に変わっていきました。だから、うちの若手指導者たちにはその部分は伝えています」

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※『8人制サッカー検証』川上氏後編は3/22(水)に掲載予定


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