8人制から11人制への移行は「ボールを5号球に変えるぐらい」/ディアブロッサ高田FC 川上弘仁監督 編【短期連載】

2017年03月22日

コラム

 一人ひとりのボールタッチ数が増え、ピッチが狭い分全員が攻守に関わりやすくなる。8人制サッカーがスタートして5年がたった。“少人数制”サッカーの採用は4種の育成の現場に何をもたらしたのか。

 2017年3月6日に発売となった『ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.44春号』の第2特集では、複数のサッカー関係者に取材協力を頂き、8人制サッカーを見つめる企画を行った。ページの都合上、誌面ではインタビューの一部しか掲載できなかったが、それぞれに内容が濃く8人制サッカーを通してジュニアサッカーを見つめ直すいい機会になると考えたため、本誌とWebの連動企画として4人のサッカー関係者のインタビューを全文公開する。

 二人目は奈良で活動しているディアブロッサ高田FCでU-12の監督を務める川上弘仁氏だ。独自の育成を行う中で客観的に8人制サッカーに対する意見を持っているので、ぜひご一読いただきたい。

ディアブロッサ高田FC 川上弘仁監督 編はコチラから
関西クラブユース連盟 宮川淑人氏 編はコチラから

(取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之)


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年齢が上がれば戦術的部分を求められるから技術練習が少なくなる

――中学生になると11人制に切り替わります。そこへ移行に対して準備はしていますか?

「何もありません。ボールを5号球に変えるぐらいです。うちはそのままジュニアユースに上がる子がほとんどです。中学1年生はジュニア以上にドリブル練習の質が上がりますし、試合でいえば極端な話、団子サッカーをしているような感じです。

 3月卒業の子も二人はガンバに行きますが、時代の風潮からいえば逆行している部分があると思います。でも、Jの育成組織、また年齢が上がるほど戦術的な要素の練習が多くなっていくから技術練習がどんどん少なくなっていきます。まだ中学生なのに大人のサッカーを求められます。だから、あの二人にも『技術練習が減っていくで』と伝えています。

 私自身、中学生まではまだ技術を高めなければいけないと思っています。サッカーの戦術は試合を重ねながら覚えていけばいい。ジュニアユース段階での進路に関する相談を受けた時は、中学生まではうちに残ったほうがいいと伝えているし、大人のサッカーに適応するのは高校生からでも遅くないと言っています。最近はジュニア年代でも戦術的な要素を求めてパス&コントールばかりを練習しているように思います。でも、それだけだと子どもたちの伸びしろがなくなるのではないかと心配しています」

――自力でボールを運ぶ、自力で局面を打開する選手が減っている印象を受けているようですね。

「そうですね。簡単にパスでボールを動かしているシーンが増えています。たとえば、それはドリブルをしたら判断が遅い子というジャッジを下す指導者が増えたからです」

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