インサイドハーフとして躍動する今野泰幸選手。日本屈指のユーティリティプレーヤーが語る複数のポジションを高いレベルでこなせる秘訣
2017年03月24日
コラムクラブでのシステム変更に伴い、再びポジションを変えた今野泰幸選手(ガンバ大阪)。新たに与えられたポジションは左インサイドハーフ。所属クラブでの好調そのままに2年ぶりとなる日本代表の試合でもピッチを駆け回り、ゴールネットを揺らす活躍を見せてくれました。なぜ今野選手は、多くのポジションを高水準でこなすことができるのでしょうか。その秘訣を本人の言葉から探ります。
文●後藤勝 写真●Getty Images
※この記事は2015年02月25日に掲載した記事を再編集したものです
岡田武史監督との出会い
――複数のポジションで活躍されている今野選手ですが、複数のポジションがこなせている理由はどこにあるのでしょうか。
ぼくはすべてのポジションを完璧にできるとは思っていないですよ。まずプロになって最初のクラブがコンサドーレ札幌で、当時監督だった岡田武史さんに出会いました。
岡田さんは平均的な選手で11人を固めて試合をするのではなく、何か特徴を持った選手をバランスよく組み分ける監督でした。おまえはボールを奪うことや、アプローチスピードを速くして相手にプレーをさせないことが特長だから、それを出せと言われて。初めはほんとうに守備だけ一所懸命やっていました。そうすると肩の荷が下りて自然とうまくいくんですよ、ほかのプレーも。
岡田さんの”11人が特徴を出しあって、足して11じゃなくて11より上にするんだ”というのと同じ考えで、ぼくはどのポジションをやったとしても、自分のできることしかやらない、自分のいいところを出すように心がけているんです。
――なるほど。確かサッカーを始めたのは上野山の少年団でしたね。当時のポジションはどこだったのですか。
4-3-3のいちばん真ん中のMFでした。いまで言うボランチのような感じで、守備もする、攻撃のパス出しもする、得点もする、全員のつなぎ役というポジションじゃないかなと思ってやっていました。
――ポジションの役割をどう理解したのですか。
部員がそれほどいなかったこともあり、監督が全員に等しく指導をしてくれたんです。だから、ここのポジションはこうやって動くんだ、というようなことも、かなり細かく教えてもらうことができました。そうして自然と、ここのポジションはこういうプレーをするんだなと覚えていきました。
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