日本サッカーを世界トップへと導く守備のセオリー。イタリア人指導者が指摘する日本に足りない“遊び心”とは

2017年03月31日

コラム

スライディングを叩き込んで教える誤った指導

――したがって試合映像のみを材料に考えるより他ないという限られた条件下で分析を続けてきたわけですが、やはり最も顕著なのは『スライディング』でボールを奪おうとする頻度の高さ。絶対にボールを取りに行ってはならない場面でスライディングで取りに行き、しかしそれを交わされ味方を数的不利に陥れる。日本から送られてくる映像はまさにその連続だった。

F そうなる理由はわかりません。ただ確かなのは、おそらくはセオリーに反するというべきそうした守備の連続が仮にFW選手たちのゴール量産の要因の一つであるとすれば、あれだけの技術を持つ宇佐美がドイツでは点を取れないという現実にも説明がつくのであろうということ。

 そして、例のスライディングに関して敢えて述べるとすれば、日本から送られてきた複数のサッカー強豪校の指導用DVD、その中身には確かに驚くより他なかったと言わなければなりません。

 あのような指導を、つまり守備における最後の手段であるスライディングを最初の手段として徹底的に叩き込むという完全に誤った指導をU15〜17(高校生年代)で受ければ、それが体に染み付いてしまうからこそ、後に誤りだと気づいても修正は極めて難しくなる。したがって、やはり急ぎ改められるべきだと思います。

 サッカーとはミスの競技。したがってもちろんイタリアやスペイン、ドイツといった国々のトップリーグでもミスはある。だからこそ私たち監督はその誤りをいかに少なくするかを考え、トレーニングを重ねている。

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