日本サッカーを世界トップへと導く守備のセオリー。イタリア人指導者が指摘する日本に足りない“遊び心”とは

2017年03月31日

コラム

日本代表のクオリティーを示した柴崎のゴール

――つまり、今日にして既に日本は決して『決定力不足ではない』し、カテゴリーを問わず日本の選手たちが持つ技術は高い水準にあるからこそ、ならば指導のあり方が今よりも改善されれば劇的に強くなれる、少なくともその可能性は間違いなくある。

F むしろ可能性は無限大と考えるべきでしょう。そして、まさにそれこそが分析を重ねる上で得た中で最も重要な答えであると確信しています。だからこそ今回、より良くなるための材料として提示してきた分析の記録をまとめた本のタイトルが『守り方を知らない日本人』とされたことが残念でなりません。むしろ我々の意図は、サブタイトル(日本サッカーを世界トップへ導く守備のセオリー)のほうにこそあります。

 先に触れた通り、決して批判を目的に分析しているのではなく、あくまでも我々は東京(フットボール批評編集部)からの指示を受けて試合を見ているのであって、その分析の結果が少しでも日本サッカーの役に立てばとの一心でこれまで膨大な時間を費やしてきたのですから。

 あのUAE戦(アジアカップ=2015年1月23日)のゴールを思い出していただきたい。最後はPK戦の末に日本は試合を落としてしまうとはいえ、柴崎が決めた同点弾は実に見事だった。当時、第4回目の連載で我々はこう記している。

『あの柴崎の同点弾と、そこへ至る一連の過程に見るクオリティは、もしもサッカーに〝芸術点〟があれば文句なく最高点を記録する水準である』。

 これだけの能力を攻撃に備えているのですから、その攻撃と表裏一体の守備が今よりも洗練されれば格段に総合力を増す。だからこそ私たちは「Defense Master rule the world」=ディフェンスマスターが世界を制す、この文言に最後までこだわったのです。背表紙にあるこの言葉に込めた私たちの真意が広く理解されることを願っています。


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【商品名】守り方を知らない日本人 日本サッカーを世界トップへ導く守備のセオリー
【発行】株式会社カンゼン
【分析】フランチェスコ・マクリ
【分析】宮崎隆司
A5判/400ページ
2017年3月2日発売

⇒「守備を正しく強化すれば、日本はW杯で優勝できる! 」気鋭のイタリア人指導者とジャーナリストが「守備の鉄則」を緊急提言!


プロフィール
フランチェスコ・ マクリ(Francesco Macri)

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1979年3月1日生まれ ナポリ出身。監督資格:UEFA A級ライセンス。1998年からジッリョ・ロッソ・ポッツァーレ育成部門U‐12~U‐14コーチ・監督、2006年からFCエンポリ育成部門U‐12~U‐14、U‐15監督。2012年からASシエナ育成部門U‐15、U‐16、U‐17監督。FIGC(伊サッカー協会)機関誌、allenatore.net等に寄稿多数。育成・指導法に関する書籍およびDVD等、著作多数。2010年から米国および中南米各地で指導者向け夏期キャンプを主催。「Match Analyst」の資格を取得。


 

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