日本サッカーを世界トップへと導く守備のセオリー。イタリア人指導者が指摘する日本に足りない“遊び心”とは

2017年03月31日

コラム

日本の育成には『遊び』が足りない

――日本の現場を多少なりとも知る者としては、やはり小さい頃からの『遊び』の頻度が低過ぎるように思います。いわゆるストリートサッカー的な遊びの中でこそ子どもたちはトラップやパス、ドリブルやフェイントといった技を覚えると同時に守備のスキルも体得していく。夢中で遊びながら無意識のうちにマスターするものであって、決してカラーコーンを並べたスクールのピッチで教科書的に習うものではない

F 仮に5〜6歳でボールを蹴り始めるとして、11人制に移る11〜12歳までの5、6年をどう過ごすか。これはもう決定的と言っていいでしょう。いわゆる守備の穴を埋める動きであったり、その逆に敵の守備網の隙をつく動きなどというものはそれこそ公園や広場で遊びながら自然と身につけていく類の技術なのですから。もちろん育成の現場で一からそれを教えることは不可能ではないとしても、ここで言う遊びの蓄積があるかないかは極めて重要なポイントになります。

 サッカーという競技は自らの創造性を発露させるためにあると言っても過言ではないはずですから、やはり遊んだ量は多ければ多い方がいい。それこそ、遊び慣れしている子ほど不用意にボールを取りに行くような真似はしない。むしろ漁夫の利を得る的なポジショニングを言われなくとも取る。つまり、この漁夫の利を得る的なポジショニングが、いわゆる指導用語で言うところのチャレンジ&カバー、その〝カバー〟と同じ意味なのですから、これを感覚的に理解するにはやはりサッカーで遊ぶのが一番の方法ということになる。

――そしてもう一つ。小・中学生の年代で最も大切なのが

F とにかくしっかりと休養をとること。毎日練習するなどは論外。中学生までは多くて週3日の練習、プラス週末の1試合。1回の練習は長くても2時間。これ以上の負荷をかけてはならない。U-13までは週2回の練習で十分。中1日で休んで、その休みの日には試合を観たり、それこそ公園や広場で友達と一緒に『適当に、楽しく』遊べばいい。メッシやネイマールの技を真似たりしながら思いっきり楽しめばいい。

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