「子どもたちにサッカーの楽しさを伝える」ために知っておくべき“コーチング”の6つの心得【サッカービギナーコーチ講座】
2017年06月08日
サッカー練習メニュー
3.グッドオーガナイザー
日本サッカー協会(JFA)でも「グッドオーガナイザーになろう」ということを提唱しています。グッドオーガナイザーというのは、例えばパスの技術を向上・修正しようとするときに、トレーニングでパスをしなくてはならない現象が多く出てくるようオーガナイズ(組み立て)できる指導者のことです。
トレーニングには必ず目的があります。ゲームの中で生じた問題点(改善したい状況)にフォーカスを置き、トレーニングでその問題点を改善していかなくてはなりません。つまり、トレーニング自体がその状況をイメージできるものが理想でしょう。スモールサイドゲーム(1対1、2対1、1対2、5対5)などを活用しながら、改善したい現象が出てくるようにオーガナイズできるとよいでしょう。
そのためには、フィールド の広さ・人数・条件・スタートの方法・ボールの配給などに気を配らなくてはなりません。コーチがしっかりと考えを巡らせておくことで、選手たちは自然と課題を改善、修正することができるようになるでしょう。
4.判断を引き出していく
 状況判断の能力を高めるためにどのようにしたらいいかというと、「感覚の部分」と「周りを見る部分」が大事になってきます。まずは、いい視野を確保して、いかにいいポジション取りができているかが大きな要素になるでしょう。ボールの置き方も求められてきます。  
 
 トレーニングの中では、選手たちは「判断」の部分を見落としがちです。選手自身がなぜ悪いプレーだったのかを、理解せずそのまま進めてしまうというケースもよくあるものでしょう。だからこそ、コーチは、どれがよい判断でどれが悪い判断かを明確にして、選手に伝えなくてはなりません。状況判断ができない場合は、どういったことが起こったのかをタイムリーに説明する上でも、ゲームフリーズによって、デモンストレーションを行い、選手たちに再現させることは非常に効果的でしょう。コーチがプレーを分析して、遡っていきながら、全体の状況を確認していくのです。体の向きやボールの置き方、ボールの受け方なども含めて指示してあげます。その過程を通じて、選手たちがよいプレーと悪いプレーを理解することができるでしょう。  
 
 ただし、オーバーコーチング(教えすぎてしまうこと)は、マイナス要因でもあります。判断力を高めるためには、選手が考える余裕を作ることも必要なのです。選手自身が、周りを見ながらベストな場所でボールを受けて、次の選択を判断できるように、そのヒントを与えていく姿勢が理想かもしれません  
コーチはすぐに指示を出すのではなく、少し我慢をして、選手の判断を待ってからサポートしましょう。その判断が合っていれば「ナイスプレー!」とほめてあげましょう。逆に判断が誤っていた場合には、すぐに答えを与えるのではなく、どうしてその判断をしたのかを聞いてみることです。判断は正しいが技術的なミスだったというケースもよくあるものです。
コーチは、解決法を与えるのではなく、自分自身で答えを見い出せる雰囲気作りを目指しましょう。そういう能力を身につけることは、 サッカーの上達だけではなく、オフザピッチでも大切なものになるでしょう。
5.短時間で集中したトレーニング
よく2~3時間練習をしているというチームの話を聞く機会があります。しかし、長時間やることがよいのでしょうか。コーチによっては長時間やることの理由があるのかもしれませんが、欧州などにおいても、練習は90~120分以内に終わらせるのが通常です。長時間練習を行っても、どこかでサボろうとする気持ちが出てくるものです。常に全力で練習に臨まず、悪い習慣を身につけてしまうというのが大きな理由です。特異性の原則で説明しましたが、どこかで力を抜くことを覚えてしまい、それに適応して、高負荷に耐えられない体になる可能性があります。だからこそ、高い負荷で常にリアリティのある状況でトレーニングをすることが、いい習慣になるのです。
短時間で選手たちが集中できるようにするには、効率のよいトレーニングを考えなくてはなりません。例えば、4対2のボール回しを行うとします。何も指示をしないと、子どもたちは、ただ適当にボールを回してるだけになってしまいます。この中には判断の要素が少なくなっているでしょう。このように、ボール回しを適当にやっていることが続けば、それは悪い習慣になってしまいます。
ルールを加えて、2タッチ以内のボール回しとするだけでも、状況は変わってきます。さらに、相手からボールを奪ったら、攻守が切り替わるなど、いろいろな要素が入ることで、判断の要素が生まれます。いい習慣を植えつけることができるのです。特にカテゴリーが低い場合、上達も早い代わりに集中力がなくなるのも早いものです。選手個々とチーム全体の状況をキャッチして、さまざまなアレンジを加えていくことで、トレーニングの効果は高まっていくでしょう。
6.ポジティブな働きかけ
コーチや監督というのはどうしても感情的になり、選手に対して怒ってしまいがちです。しかし小学生の場合、小さなことでも気落ちしてしまうことが多いので、言いたいことを伝えながらも、フォローする配慮を持たなくてはなりません。選手たちのポジティブな面を探してあげて、アプローチしていく心構えが必要になってきます。ほめて励ますことは、子どもたちのやる気を生み出します。
チームによっても個人の性格によっても変わってきますが、私は「叱る」と「ほめる」を3対7の割合の意識を持って、グラウンドで声をかけています。子どもたちの様子をて、ゆるんでいると思ったならチームが引き締まるようにあえて「叱る」ことも大切でしょう。逆に萎縮しすぎているようなら、「ほめる」場面を作ることも考えて、バランスを取らないといけないでしょう。
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