選手に”レベル差”があるチームが取り組むべきトレーニング。指導者は選手の「成功の瞬間」と「表情」を見て褒めることが大切
2017年10月05日
コラムジュニアサッカーの現場にはさまざまな疑問や悩みがつきもの。指導者から子ども、そして保護者の方々が抱くものを、ファンルーツの指導者たちがアドバイスします。今回は、子どもの成長発達ついて1つの疑問を解決します。
(再構成●ジュニサカ編集部)
Q1
チームの中で選手にレベル差があります。どのような指導をすればよいですか?
(写真●佐藤博之)
レベルに応じた「楽しい」トレーニングを
レベルの高い選手に合わせると、レベルの低い選手がついて来られません。練習が楽しくなくなり、サッカーから離れてしまう可能性があります。しかし、反対にレベルの低い選手に合わせてしまうと、レベルの高い選手が成長しません。確かに難しいところです。
私の場合は、アベレージの選手をターゲットにして練習のテーマを決めます。その中で、ルール設定によって難度を変えるようにしています。例えば、4対1のパス回し。レベルの高い選手は、個々にボールタッチ数に制限をかけるとか、利き足の使用を禁止するといったルールを設けます。レベル別にグループで分ける場合は、レベルの高い選手のグループはハイテンポ、レベルの低い選手のグループはゆっくりとしたテンポで丁寧に行うといった調整も可能です。
また、小学生年代では特に「楽しさ」が重要なポイントになります。具体例を一つ紹介しましょう。まず、選手のレベルを平均的に分けたグループを作ります。各グループの手前から奥まで4つのコーンを並べます。グループの先頭の選手がボールを持ち、キックターゲットのような形で手前のコーンに当てます。成功したら、先頭から 2番目の選手が次のコーンを狙います。先頭が失敗したら、2番目の選手も一番手前のコーンを狙います。
全グループで一斉にスタートして、一番遠いコーンに最初に当てたグループが勝つという競争を行います。 グループで競争をしながら、各自がどの距離なら正確に狙えるのかというレベルを知ることができます。次に、4つの列を想定して、それぞれの前方に距離を違えたコーンを置きます。先ほどの練習の4つのコーンと同じ距離設定がいいでしょう。最左列は手前のコーン、最右列は一番奥のコーンを狙うという具合です。今度は選手全員が一番近い距離から始めて、クリアできた選手は次の距離のコーンに挑戦します。各自がレベルに応じた練習を積むことが可能になります。
また、大切なのはレベルの低い選手に対してコミュニケーションを取ってサポートすることです。小学生の場合、レベルの高い選手は基本的には放っておいても自主的に練習に取り組むケースが多いです。得意なことをやるのは、誰でも好きだからです。ですから、レベルの低い選手のモチベーションのケアの方が大切になります。失敗の指摘は誰にでもできますが、数少ない成功の瞬間とそのときの選手の表情を見逃さないこと、そのときにしっかりと褒めることが重要です。
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2017年度の参加メンバー768名を発表【変更あり】
- ポジションが変わらない息子
- 山口育成担当技術委員長に聞く! リーグ戦の推進は四種年代のサッカーをどう変えるか?
- 【高円宮杯第26回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会】決勝レポート「FC東京U-15深川が逆転で日本一、6年ぶり2度目の優勝」
- 【ジュニアユース 体験練習会】VERDY S.S. AJUNT(東京都)
- 柏レイソルが後半の逆転劇で2年ぶりに全国行きの切符を獲得!!/第41回全日本少年サッカー大会 千葉県大会
- 反復練習に時間を費やす必要はない。 戦術理解を養う「止める・蹴る」の指導法とは
- 夕食は18時が理想的。それができない場合は? 「睡眠の質」を高める栄養素
- 「JFAエリートプログラムU-14日韓交流戦」参加メンバー発表!
- 子どもの”強い心”を育むために親が「できること」「してはいけないこと」