日本、フランスの“リスペクト”に屈す。露見した課題、次につながる貴重な90分間
2017年10月13日
サッカーエンタメ最前線
【日本はフランスの進攻を止められず。アミン・グイリ(中央)に2試合連続の2ゴールを許した】
攻守において後手を踏む。課題は重要な糧に
マークのずれを狡猾に狙い、スペースを的確なタイミングで使われ、日本のディフェンスが追いつかなくなったところで生まれたのが、13分のアミン・グイリの先制ゴールだった。
ヨーロッパ屈指の得点力を誇るフランスの背番号9は、使えるスペースがあると見るや、同じ形で繰り返しゴールを狙ってきた。「スペースを与えないような守備ができれば、もっと相手の特徴を消せたと思う」と小林は振り返るが、なかなかチーム全体のズレを修正できなかった。
前線で攻撃の機会をうかがっていた宮代は、「最初に失点してしまったのが(敗戦の)大きな要因だった。そこからひっくり返すのも時間がかかりすぎたと自分は思っている」と語る。その通り、ビルドアップの場面でもフランスは明確な狙いを持って対処してきた。
ホンジュラス戦は日本のダブルボランチにマンマークがついていたため、あえてそこを経由せず、中盤を飛ばしてゲームを作る場面も多くあった。ただ、それはあくまでホンジュラス相手だからであって、フランス戦ではより前で、中盤に攻撃の起点を作っていく意識があった。
ところがフランスはインサイドハーフの2人が守備でも機転を利かし、日本のボールを外へ外へと追い出していく。結果的に「ボールを持てていたというよりフランスに回させられていた」(宮代)、「つなげてたことはつなげていたんですけど、つなげさせられていた」(奥野)と、選手たちの見解は一致する。つまりフランスの術中にはまっていたということだ。
「自分たちからボールを動かして相手を揺さぶらないと、前半みたいにFWにボールが入らない場面が続いちゃうので、そこは今日大きく出た課題だと思う」と、宮代は語る。彼の言う通り、「どこかでスイッチ切り替えていかないとこういう相手には勝てない」のである。
後半はテンポを変えたり、より積極的にリスクを負っていったりすることで、幾分か流れは良くなった。それでもやはり、フランスの守備陣は堅い。当然日本の2列目、久保建英や、ホンジュラス戦でハットトリックを達成した中村敬斗といった選手たちにボールが入れば、厳しい寄せで攻撃を寸断しにくる。
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