“守る”だけがDFの仕事ではない。ベルギー代表コンビがみせる「DFの個性」
2017年11月02日
サッカーエンタメ最前線日本時間15日の早朝、日本代表が対戦するベルギー代表はFIFAランキング5位の強豪です。エデン・アザール(チェルシー)やロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイッド)など強力なアタッカーを輩出している印象が強い国ですが、ディフェンダーにもヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・シティ)など世界最高クラスの選手を揃えています。今回は、そんなベルギー代表のディフェンダー、ヤン・フェルトンゲンとトビー・アルデルヴァイレルト(ともに、トッテナム)のプレースタイルを紹介します。
文●高橋大地/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images

いまCBというポジションには多様性が求められています。かつては、それほど足元の技術が備わっていなくとも守備能力さえ圧倒的に高ければ「世界最高のディフェンダー」の称号を得ることはできたでしょう。しかし、目まぐるしいスピードで進化する現在の欧州サッカーにおいては、守備能力が高いだけでは「物足りないディフェンダー」と烙印を押されることもしばしば。それは、ディフェンダーにも攻撃に関わることがより求められるようになったからです。
ただこの潮流は、ディフェンダーとして高めるべき能力の優先順位が変わったことを示唆するものではありません。やはり、ディフェンダーに求められる最も重要な役割は「いかに相手の攻撃を防ぎ、ボールを奪うか」であることに変わりはないのです。しかし、世界トップクラスで活躍をしたいのであれば「守備能力に加えて何ができるのか」が重要になってきます。
この守備能力+アルファの部分で紹介したいのがベルギー代表のディフェンダーコンビ、ヤン・フェルトンゲンとトビー・アルデルヴァイレルトです。二人はベルギー代表だけでなく所属クラブのトッテナムでも最終ラインを形成しています。
では、この二人はディフェンダーとして何が優れているのでしょうか。まずは二人とも高い守備能力を有していることです。しつこいようですが前述のとおり、ディフェンダーであれば優れた守備能力を持っていなければなりません。しかし、守備能力にも様々な能力があります。
例えばフェルトンゲンの場合、恵まれた体格を生かしたフィジカルコンタクトの強さや長い脚を生かしたインターセプトなどの「人に強い」ことが特徴的です。一方のアルデルヴァイレルトは、「ポジショニングの良さ」を感じさせるディフェンダーです。チームのピンチとなれば自らの守るエリアを飛び出してカバーリングに入ったり、ヘディングでも落下地点を読むのがとても速く、相手よりも先にボールにふれることが得意です。
主に二人は所属クラブのトッテナムで3バックの右(アルデルヴァイレルト)と左(フェルトンゲン)を務めています。しかし、実はこのコンビ、ベルギー代表では2014年のブラジルW杯まで両サイドバックを務めることが多かったのです。特にフェルトンゲンに関しては今でも4バックの左SB、3バックになれば左のWBも難なくこなすこともできます。
フェルトンゲンは圧倒的なスピードや正確無比なクロスを持ち合わせているわけではありません。しかし、オーバーラップは迫力があり、左足の強烈なシュートも持ち合わせているため相手DFにとってフリーにしておくにはあまりにも危険な存在です。そのプレースタイルがSBやWB、また3CBの左でもうまく落とし込まれており、どのポジションでも彼の“ストロングポイント”を出せることが彼の“ストロングポイント”にもなっています。
≪ヤン・フェルトンゲンのプレー集≫
逆にアルデルヴァイレルトは一時期SBとして起用されることは多かったもののフェルトンゲンのようにオーバーラップして力を発揮するわけではありません。彼の+アルファの能力はビルドアップ時のパスセンスです。グラウンダーでFWにつける『楔のパス』や『対角線上のロングパス』が正確で中盤のゲームメイカーの選手と同じように攻撃の起点となりうる資質を持っています。トッテナムでも、彼のパスからゴールが生まれることは少なくありません。
≪トビー・アルデルヴァイレルトのプレー集≫
この二人のプレーを見ればディフェンダーにも様々な個性が必要であることがわかってきます。ディフェンダーとして最低限必要な守備能力にも、対人に強い選手であったり、ポジショニングの妙で身体能力が高くないのをカバーするタイプもいます。攻撃面のプレーを細分化すると、SBのような攻撃参加をするディフェンダーもいれば、ボランチのように攻撃の起点になる選手もいます。
日本のサッカー少年・少女たちに感じてほしいのは、まずは自分のポジションの役割や仕事を知ることの大切さ。そこから自分に足りないものや伸ばすべき個性を考えてほしいということです。ぜひ、様々な選手のプレーを参考にして、自分だけの強みを探してみてください。
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